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●会報しらやまNo86 2010年5月発行

白山釈迦岳から見た白山山頂部


白山釈迦岳から見た白山山頂部

この写真は、白山釈迦岳から白山山頂部を間近に望んだものです。
正面の岩壁は鎧壁と呼ばれ、ここから見る白山は険しく近寄りがたい感じがします。
数日前に降った新雪で白山の雪は5月初旬としては白く、雪の色だけを見ると、3月で通用するかもしれません。
ただし、空は冬の色ではありません。冬の空は、幾分マゼンタ(赤系統の成分)がかった空の色になり、夏に向けてマゼンタが抜けていきます。
写真・文 木村芳文(写真家・当会事務局員)


目次

第21回総会報告 事務局長 深田和人
春の詩パート21に参加して 太田友加里
トラスト日誌3 09年度の作業概要について トラスト部会 垣本哲夫
白山の雪形 小川弘司(石川県自然保護課)
山路きて イチヨウラン(一葉蘭) 運営委員 山田博子
環境について考える26 「ESDってご存知ですか?」 会員 三津野真澄
新入会員
カンパありがとう
ご寄付お願いします。
事務局短信
でかけてみませんか




第21回総会報告
事務局長 深田和人

3月14日(日)、当会の第21回総会が、生涯学習センターで開かれ、昨年度の活動報告、決算報告、今年度の活動予定、予算案の審議が行われました。活動予定に関しては例年と大きく変わった点はありません。
毎年国交省へ出向いて白山トンネル反対の要望書を提出していますが、現政権は脱官僚ということで、取り止めになります。 
チブリ尾根登山道の維持管理委託事業は、8年目を迎えます。かなりの成果を出している一方で、報告書の作成等の負担は相当なものがあります。事務的な仕事をしていただける方がいらしたらよろしくお願いします。

予算面に関しては、極めて厳しい状況にあります。長年にわたってご寄付いただいていた富士ゼロックス端数倶楽部からの助成がなくなりました。毎年20万円もの寄付であり、会の運営の大きな支援となりました。収入がマイナス20万という状況でこれまでと同程度の活動をしていくのは極めて困難です。別紙の予算案をご覧いただければお分かりのように、収支がマイナス13万円となります。今年度は繰越金で何とかなりますが、次年度以降の対策が急務となります。
一番の対策は寄付のお願いです。金額は問いません。少しでもご寄付いただける方、よろしくお願いします。
次に経費節約です。予算をご覧いただけるとお分かり用に、実は、会費収入と会報発行費用がほぼ等しくなっています。会報発行費をどこまで削減できるかです。ためしに、これまで10ページまたは12ページでしたが、本号からは8ページにしたいと思います。これにより版起しが1枚分節約できます。原稿を頼んだら止め処もなく書いてくる本会会員です。ページ数を抑えるのはかなりきついですが。
会報経費削減として、発行回数の減少が考えられます。1回減らすことで8万円ほどの削減になります。ただ、会報は会と会員をつなげている重要な存在なので、減らすことへの強い反対意見もあります。
もう1つの対応は、モノクロに戻すことです。最初と最後のページをカラー化していますが、モノクロにすればその分安くなります。これについてもいろいろな意見があります。
今年1年かけて考えなければならないのは、会費の値上げです。年会費1500円を2000円にしようという案があります。この場合、500円×250名=10万円の収入増が見込まれます。これについても反対意見があり、会員の高齢化が進んでいる現状では、会費の値上げを機に退会する方が増えるのではないかということです。
これらについてご意見のある方、メール、電話、Faxでお願いします。
メール:office@hakusan-sizen.org
電話・Fax:076-247-5463 深田 

総会後、新潟県自然・環境保全連絡協議会代表の諸橋潔氏より講演を頂きました。諸橋氏は新潟県にあるたくさんの環境団体に声をかけ、ネットワークを作り上げた方です。実年齢よりもはるかに若く見え、そのエネルギッシュかつ魅力あふれる語り口に、人々が集まってくるのも至極当然という印象を持ちました。これからも末永く関わりあっていきたいと思います。ありがとうございました。
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春の詩パート21に参加して
太田友加里

白山の自然観察会があるということで、地元の身近な自然のことを知りたいと思い両親を誘って今回のこの会に参加した。
白山比咩神社から車で少し進んだところにある里山を、植物博士・鳥博士・山菜博士等々自然に詳しい先生方に面白おかしく知恵を教示してもらいながらの山里歩きをした。先生は、小さな草花から大きな木の四季の姿を知っていて、いついつの頃はこうなっていると自然のしくみの理解者だった。先生のように、いろいろ知っていると、自然からの声も聞
こえているように見えた。里山には整えられた山と違って、多種多様な植物や動物が共存し、お天気に恵まれた当日は豊かな春の花や新緑や動物たちがボッティチェリの「春」のような華やかさと陽気さが感じられて、この自然を大切にしていきたい、いつまでの残っていて欲しいと思った。そして、また夏・秋・冬と四季の里山の色濃い自然を味わって、私も白山の自然はこんなのだよと紹介できる人になりたいと思った。また、機会があればよろしくお願いします。
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トラスト日誌3 09年度の作業概要について
トラスト部会 垣本哲夫

皆々様方からの貴重なご寄付で、08年度12月に購入しました土地を一度観にお越し下さい。といいながら、購入時の姿のままで「ハイ、これがこの土地です。」とは言い難いので、主として次の5件を実地しました。
1.管理兼散策の小径を1本(全長約500m)造作した。
2.境界線上に沿い低木林や下草を刈った。
以上2件が目に見える作業です。
3.積雪深計(計7箇所、12月)の設置
これは、本年4月に撤去し、積雪量を確認します。
4.地形(尾根・谷・斜面)の確認と経緯度測定
5.植生図作成調査並びに植物目録作成調査
以上3件は、データがまとまり次第順次お知らせできると思います。

尚、来る6月13日(日)には、このトラストの地でメッタ汁を食う会をしますので、ご参加下さい。



白山の雪形
小川弘司(石川県自然保護課)

白山の白山らしさは雪をかぶったその白き姿にあるのではないでしょうか。春になり日に暖かさが増すにつれ、人里では草木の緑が色鮮やかに映えてきますが、遠く仰ぎ見る白山は真っ白に輝いて見えます。麓の山々の緑の鮮やかさを従え、青い空に白き姿を輝かせた白山の姿は見事です。古の人々が、俗界とかけ離れたその姿に、神の存在を感じたのも頷けます。
そんな真っ白な白山の姿も、田植えが始まる頃には雪が徐々に融けて地肌が見えてきます。するとそこに「雪形」が現れてきます。
雪形は山の残雪模様を、ものや動物、人などに見立てて、農作業の開始や豊凶の目安などとして雪国の人々に伝承されてきたものです。白山にも雪形があってもおかしくはなかったのですが、その存在はつい最近まで知られていませんでした。
しかし、ここ何年かの調査で白山にも雪形があることがわかってきました。現在まで明らかとなった雪形の数は「猿たばこ」など全部で10個あり(次ページ表参照)、4月下旬から5月・6月にかけて、加賀市や小松市、そして白山市のそれぞれの平野部から見ることができます。
これらの雪形が知られていなかったのは、農作業の機械化など農業技術の進歩とともに、農作業の目安としての雪形の実用性がなくなり、人々の日常生活から遠ざかってしまい、限られた人々の記憶の中に埋もれてしまっていたためです。人々の記憶から消えつつある雪形ですが、自然と文化の遺産として継承していくことが望まれます。
※以下のアドレスから白山の自然誌シリーズ「白山の雪形」がダウンロードできます。興味のある方は、ご覧になってみてください。
http://www.pref.ishikawa.jp/hakusan/publish/sizen/sizen-all.htm



山路きて イチヨウラン(一葉蘭)
運営委員 山田博子

近年、毛勝の山々を愛する岳人たちの手で切り開かれたという、新しい山道を、私たちは登っていました。新道はどこの山でもそうだけど、急登の連続で、なかなか人を受け入れず、ザラついていて、周りの景色にもなじんでいない、その分、荒々しく男性的で・・・・
と、大猫山(2,070m)の印象は手ごわい感じでした。あたりにガスが立ち込めていて、眺望も期待できず、剣岳が眼前のはずなのに、と心うちでつぶやいたとき、後ろからK女の声が上がり、何かを発見したようです。

ラン科の植物に違いなく、際立つ姿形が目に飛び込んできました。イチヨウランです。
その名のとおり、たった一枚の葉が根元にあって、花も頂に一個きりです。淡いクリーム色の花弁は唇形で紫の斑点をまとい、緑黄色したガク片3枚と、側花弁2枚に囲まれて、ひっそりとしかし毅然たる面持ちで咲いています。
段差の大きい山道に気をとられ、視線は捕まえようと頭上の木の枝に注がれ、まさか足元に、めったに見られないイチヨウランが咲いていようとは、誰も思わなかったに違いありません。K女のカメラには、さまざまな角度からイチヨウランが写し取られました。

そして、この時、いつになく不調を訴えていた彼女は、その年の秋、くも膜下出血で命を落としました。優しく、慎ましく、めったに大声など出したことのない穏やかな彼女は、山への憧れを抱いたまま、天空へと旅立ってしまいました。
大猫山のイチヨウランにもう一度会うことは無いような気がしています。
K女に会うことが不可能なことと、それは同じように思えてなりません。



環境について考える26 「ESDってご存知ですか?」

会員 三津野真澄

ESDとは何のことですか?
という質問をよく受けます。(実は私、「ESD石川t」というグループの事務局長をしているからなのですが。)
E:エッ?、S:それって、D:どんなこと? 
E:いいね、S:それなら、D:できそう!
という言葉遊びは横において‥
ESDとはEducation for Sustainable Developmentの略で、直訳すると「持続可能な開発のための教育」。換言すると、「持続可能な社会をつくるための教育」、あるいは「未来をつくる力を育む教育」、「持続可能な未来の担い手を育てるための教育」などと理解されています。
ESDのテーマは、世界中の人々と将来の世代が、平和に生き続けていける未来をどう作っていくか、ということです。
日本は2002年のヨハネスブルグサミットにおいて、「持続可能な開発のESDの10年」を提案し、採択されました。今年2010年は国連決議された「ESDの10年」の6年目にあたります。 

ESDが提案された背景とは
私たちは子ども達に何を伝えることが出来るのでしょうか。私たち大人は何を考え行動すべきなのでしょうか。
「エコロジカルフットプリントEcological Footprint」という考え方があります。直訳すれば「自然環境を踏みつけている足跡の面積」。これは、「人々の消費活動を支えるために必要とされる土地および水域の合計面積(ha)」で示されます。

●日本人のエコロジカルフットプリント :4.3ha/人

もし世界中の人々が日本人のような暮らしをすれば、地球が約2.4個必要になると計算されます。これでは明らかに、「持続不可能」。
では持続可能な生活や社会とは、どのようなものなのでしょうか?
それを考え学んでいくのが、このESDなのです。

今こそ求められているESD
先進国中心に化石燃料を消費する生活の結果、温暖化は深刻化し、異常気象による干ばつや洪水が多発しています。その結果起こっている食糧難と貧困に苦しみエイズで次々と命を落とす人々が大勢いる一方で、大量消費・大量廃棄スタイルを続ける先進国の人々。戦争が原因の難民が2500万人、食料不足による餓死者は1日に2万4千人とも言われています。
こんな地球は誰にとっても異常です。今こそ持続可能な社会をつくるための教育(ESD)が求められています。

では誰がどのようにESDを行うのですか?
教育といえば学校、と限定して考えないで下さい。行政、家庭、地域、企業、NPO・NGOなどが連携し、ESDに取組んでいる良い事例がたくさんあります。 それらのうちから、2つ紹介しましょう。

●気仙沼市
市内の小中高校と博物館、行政、企業、大学などが連携し、「気仙沼ESD推進委員会」を結成し取組まれています。2005年には国連大学から地域拠点モデルにも認定。「野菜栽培プロジェクト」「面瀬川ミニ水族館作り」「ぶなの森観察」など、地域の山・川・海の恵みを教育素材に取り入れ、町の先生が大活躍しています。
(詳細は下記へどうぞ)
http://rce.miyakyo-u.ac.jp/panf/Guide.pdf

●岡山市京山地区
京山公民館が中心となり、岡山ユネスコ協会や旭川流域ネットワーク等の既存の団体や活動を取り込み、学校と連携を図りながら、地域全体の活動として発展しています。「環境てんけん活動」や「源流体験エコツアー」などを実施し、広い年齢層から参加者が非常に多いことに注目されます。
(詳細は下記へどうぞ)
http://www.kc-d.net/pages/esd/index.html

石川県でESDは行なわれているのですか?
ハイ!さまざまな形でスタートが切られています。ESD普及のためのセミナーやフォーラム、講演会などが開催されてきました。また学校の先生を中心に、ESDのネットワーク「ESD石川t」も今年2月に結成されました(写真)。
さまざまなESDに関する情報は「ESD石川t」のHP(ブログ形式です)で得ることができます。ぜひご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/esdit/

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新入会員
伊比邦子様



カンパありがとう
今井育美様
山岸久子様(トラスト基金寄付)



ご寄付お願いします。
総会報告にありますように、財政的に厳しい状況にあります。会の活動を維持していくため、会員皆様の暖かいご寄付をお願いします。
郵便振替口座 「白山の自然を考える会」 00700-0-8593



事務局短信

2月 5日(金) 運営委員会(9名)
2月 6日(土) 県議会議員との懇談(2名)
2月28日(日) 労山総会(1名)
3月 5日(金) 運営委員会(10名)
3月10日(水) 森林管理課と懇談(2名)
3月16日(火) 事務局会議(3名)
3月28日(日) 生物部会 早春の高尾山(雨天中止)
4月 2日(金) 運営委員会(3名)
4月 4日(日) トラスト用地視察(4名)
4月17日(土) チブリ登山道について自然保護センターと打ち合わせ(2名)
4月18日(日) 雑木林春の詩21(16名)



でかけてみませんか
■6月6日(日)クリーン活動 鷲走岳
集合:8時 白山ひめ神社
参加費:300円(保険料含む)

■6月13日(日)トラスト部会 視察+めった汁
集合:9時 白山ひめ神社
参加費:300円(保険料含む)

■チブリ尾根登山道管理
5月23日 巡検・倒木処理・小屋清掃・雨樋設置等
6月20日 巡検
7月10日・11日 下草刈り
いずれも6時 白山ひめ神社
参加費無料(保険はこちらで入ります)