三津野 真澄
8月アルプスに行ってきました。最初に訪れたシャモニーはフランス東部、スイス・イタリア国境に近いアルプス山麓の町。街角からは間近に氷河を眺めることができます。

シャモニー博物館で「氷河展」が開催されていました。氷河に関して成因、分布、化学成分、氷河地形、文化への関わり等、多方面からの研究成果が展示されていました。
中でも目を引いたのは地球高温化による氷河の後退です。(ちなみに「地球温暖化」というのは暖かくなっていいじゃないか、というような誤った印象を与えかねないため、「地球高温化」の使用が広まっています。)
シャモニー周辺の4つの氷河について、19世紀に描かれた絵と現在の写真が対比して展示されていました。

ツール氷河(上:1850年、下:2006年)

ボソン氷河(上:1818年、下:2006年)

メール・ド・グラス氷河(上:1825年、下:2006年)
新旧の間は200年も経過していないにもかかわらず、いずれの氷河も大きく後退しています。驚くしかありません。

アルジャンチェール氷河(上:1860年、下:2006年)
このアルジャンチェール氷河については実際に氷河末端まで近づき観察してきました。ゴンドラを利用し途中駅で下車、約40分歩くとすぐ目の前に氷河が現れます。大迫力です。

「ド・ド~~ン」凄まじい轟音をたて氷河末端が崩れました。そしてまた「ド・ド~~~ン」。
その場にいた30分程の間、何度も何度も崩れ、まさに氷河後退の現実を目の当たりにしました。
氷河から15分歩いて下るとLognan小屋に出ます。

この小屋、夏は登山客、冬はネイチャースキーヤーで賑わうそうですが、本日はガスのため静かでした。そこで小屋の中を探索してみると、こんな写真が‥‥。

約100年前のもの、小屋は氷河に囲まれています。しかし現在の氷河末端は小屋から上部へ歩いて15分のところでした。
小屋の女主人、近くに住んでいるというハイカーや山岳ガイド、いずれの人々も「氷河は凄まじい勢いで後退している」と口をそろえて言います。氷河は長期的気候変動の影響を最も敏感に受けるものの一つであり、私たち人間への警告者なのですね。