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●低い日本のエネルギー自給率を高めたい(エネルギーの地産地消をめざして)

三津野 真澄

今年1月に約2週間、ロシアから欧州向けの天然ガス供給が全面的に停止されました。この間、厳冬期に暖房が使えなくなり深刻な影響を受けた国は、実に18カ国。欧州は天然ガスの1/4をロシアに頼り、その8割がウクライナを通るパイプラインで送られています。ガス供給の契約や価格をめぐってロシアとウクライナ両国が対立したことが、今回の「ガス危機」の原因でした。
この事件以来、急速に高まっているのが「エネルギーセキュリティ」の考え方です。私たちは食糧とエネルギーがなければ生きてゆけません。食糧はもちろんのこと、エネルギー自給率を高めることが、安全保障上大変に重要なのです。


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写真1 市民風車第1号の「はまかぜちゃん」

 
 
さて、日本のエネルギー状況はいったいどのようでしょうか?
資源エネルギー庁から毎年発行されるエネルギー白書(いわゆる「エネルギーに関する年次報告2008」)で、エネルギー自給率のデータが公開されています。そこから日本のエネルギー自給率を抜粋したのが下のデータ。
(注)自給率は水力、地熱、国産の石炭・天然ガスなどの比率であり、( )内は供給安定性に優れた原子力を含んだ値。〔上記の本文説明より〕

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なんと、たった4%!しかし( )の数値が気になりますね。2004年では14%もの開きがあるのはなぜでしょうか。白書の本文に書かれている説明は、次のとおりです。
『原子力の燃料となるウランは、エネルギー密度が高く備蓄が容易であること、使用済燃料を再処理することで資源燃料として再利用できること等から、資源依存度が低い「準国産エネルギー」と位置付けられています。石油ショック後、原子力の導入が促進された結果、「準国産エネルギー」を含むエネルギー自給率は2005年には約18%となっています』
つまり、ウランは100%輸入に頼っているが、国内で再処理すれば「準国産」に化けるっていうこと。
 しかしここに大きな矛盾に気づきます。その再処理、国内では難航の連続で、ずっと行われていません。実は、再処理工場(青森県六ヶ所村)では、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体をつくる試験が難航し廃液漏れなどのトラブルが相次いでいるため、本格運転が16回も延期されているのです。つまりエネルギー白書の18%という数値は、できていない(できもしない)再処理ができたとしたら、の仮想数値でした‥‥。

エネルギー自給率を上げる方策として、太陽光や風力といった自然エネルギーの導入が大変有効です。しかしこの点でも、日本は先進各国に大きく水をあけられているのが現実です。
例えば風力発電を他国と比較してみると、

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この大きな差の原因は様々考えられますが、ズバリ「国のエネルギー政策が化石燃料と原子力への依存から抜け出せず、国内に存在する自然エネルギーを軽視してきた」に尽きると思います。
遅々として進まない自然エネルギー導入に対して痺れをきらした市民が、「自分たちの手でエネルギーを作り出そう」を合言葉に、日本各地では市民の手による風力発電の建設が始まっています。
現在の市民風車は図1のとおりです。

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図1 日本の市民風車マップ(資料提供:株式会社市民風車)


日本での第1号である「はまかぜちゃん」(北海道浜頓別町)を、去年8月に訪れました(写真1,2)。
本体基部には出資者の名前がかかれたプレートがつけられていましたが、217名の市民がお金を出し合って建設したものでした。現在約13000世帯分の発電を行なっています。
また私たち石川県のNPOでも、輪島市門前地区で市民風車を建設中です。能登に吹く風でつくった電気を使う、つまりエネルギーの地産地消を目指しています。出資金は今年公募しますので、協力いただけると嬉しいです。

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写真2 「はまかぜちゃん」本体基部のプレート(出資した多数の市民の名前が書かれている)


なかなかエネルギー自給率が進まない日本ですが、今年2月、経済産業省が「固定価格買取制度」(太陽光発電の電気を、電力会社が長期間固定価格で買い取る制度)の導入を発表しました。この制度が風力やバイオマス、地熱など自然エネルギー全般に適用され、自然エネルギー導入が促進されることを望みます。 
そしてエネルギーの「地産地消」をはかり、その結果、エネルギー自給率が上昇しエネルギーセキュリティが改善されることに、期待したいです。