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●会報しらやまNo81 2009年2月発行


夜明け前の白山と白鳥

この写真は、柴山潟近くの水田で撮影したものです。
この地では、毎年10月頃から翌年3月頃まで白鳥を見ることができます。
寒さの厳しいシベリアなどから、餌を求めて飛来した白鳥は、二番穂や稲や雑草の根っこを食べます。時には首を30㎝近くも泥の中に突っ込んで餌をあさる白鳥は、自然と田を耕し、その糞は良質の肥料となります。
アイガモ農法ならず、不耕起・無施肥の白鳥農法に発展する可能性がありそうです。
白鳥の営みは、米の生産工場である水田、つまり人工構造物に依存しています。温暖化ガスを排出するような人工的な仕業も、大局的には自然の枠組み中の一つの現象と考えることができるかもしれません。
写真・文 木村芳文(写真家・当会事務局員)


目次
会設立20周年 事務局長 深田和人
会発足に携わり、住民の代表にもなって ナカオ山岳会 林 正一
「白山チブリ尾根(市ノ瀬別山線)管理委託事業」、今年もおこないます 運営委員 米山 豊
白山高山帯・亜高山帯での事業が植物に及ぼす影響とは? 調査の概要 清水孝彰
白山トンネル反対の要望書を提出 事務局
白山を巡る沢旅(その24)~終章 雪の架橋、日本海から白山へ! その4 加賀の谷と飛騨の谷と~ 会員 鮎川正
環境について考える21 二酸化炭素の見える化!(カーボンフットプリント、カーボンオフセット) 会員 三津野 真澄
事務局短信
カンパありがとう
私の声 みんなの声
でかけてみませんか
編集後記



会設立20周年
事務局長 深田和人

この3月で、白山の自然を考える会設立20年を迎えます。私自身は、「ゴルフ場撃退」後に入会したため、設立当初の状況については詳しくありません。むしろ、ゴルフ場撃退のイメージが一人歩きしてか、設立のきっかけがゴルフ場とさえ思い込んでいました。
前号より、設立当初から尽力された方々に一筆お願いすることにしました。読ませていただいて、そうだったのかという「新発見」があるとともに、当時の苦労がひしひしと伝わってきます。
20年目という節目の年にトラストが現実となりました。皆様からの多大なご寄付により、昨年中に目標額に達することができました。ありがとうございました。今年は、調査、整備に向けて本格的に動き出さなければなりません。
講演会やシンポジウムといった大きな企画をおこなったらどうかという意見もあります。また、会員増、特に会の運営を担う若い人材の確保も急務です。
皆様の力を合わせ、よりよい活動を続けて生きたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。




会発足に携わり、住民の代表にもなって
ナカオ山岳会  林 正一

平成元年春に、白山麓6自治体が結集して白山と山麓開発推進のための『白山連峰合衆国』が結成された。白山山頂ヘロープウェイを架設、海抜2000㍍地点にスキー場を建設しようなどを計画に入れたものである。
似た動きは昭和40年ころにもあった。その時は県自然保護協会とナカオ山岳会が中心になって反対運動を展開、くい止めることができた。しかし今度は相手方の規模は大きく、対抗するには大きな組織の必要を直感した。
本間勝美さんや杉浦幸子さんらの協力も得て、元年11月に結成に向けての初会合を開いた。そのころに白山麓に新たな問題が生じた。石川県の上水道取水口の上流で、ゴルフ場建設が急浮上。これが運動に新たな展開をもたらした。白山の自然を考える会が発足したのは2年3月、河内村のゴルフ場反対運動をしてきた作家の高橋治氏が会長を引き受けてくれたので、会は強力なものになった。
辰口町(現能美市)の公民館から、石川の自然にくわしいとして私に講演依頼があった。都市近郊に立地する辰口丘陵は都市住民の憩いの場になることを予告しておいた。参加者から「ゴルフ場はどうなる」の質問を受けた、「絶対止められる」と断言できるまでに世論の支持を得ていた。その後、ゴルフ場も白山開発も進展することはなかった。
私が石川郡町会区長に就いたのは平成12年、そのときに考える会の役を辞めさせてもらった。白山やゴルフ場問題で白山ろくの官民と対立してきた私に、区長会会長の役が回ってきた。「反対」の声が上がるものと予測していたが、河内村の区長さんから「林さんらが反対運動をしてくれて村は助かった」と言っていただき、会長就任がすんなり決まった。「猿害対策」「観光植林」「夏場の手取川ダム放水」など請願のために、郡内の町会長・区長さんとともに県庁を訪れたこともある。河内村小学校児童の訪問を受け、ゴルフ場建設のときの話をしたこともあった。
「いい人生を過ごさせていただいた」のひとこまである。

ゴルフ場反対の署名集め
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「白山チブリ尾根(市ノ瀬別山線)管理委託事業」、今年もおこないます
運営委員 米山 豊

〈 昨年は、8回延べ75人の人が関わりました 〉
「白山チブリ尾根(市ノ瀬別山線)登山道管理委託事業(以降委託事業)」、昨年は5月25日(日)から10月19日(日)まで8回、延べ75人の人が、この事業に関わりました。一昨年に比較すると、延べ人数では15人増えました。
この間、石川県勤労者山岳連盟の構成山岳会のメンバーにお手伝いをしていただいていました。

〈 6年を経過して 〉
この春で、2003年に「白山の自然を考える会」(以降「考える会」)が、委託事業を受けてから、6年を経過します。来年度、4月以降に県から従来同様に委託を受けるとなると、7年目を迎えることになります。
委託事業、当初は登山道だけでしたが、2006年からはチブリ尾根中腹にあるチブリ避難小屋の管理委託と同時期に新設された岩屋又谷からの登山道が、従来からの委託事業に追加されました。
6年間、いろいろな思いをもっての委託事業でした。
チブリ尾根の草刈りを中心に考えていた我々と、登山道の整備補修(土木補修)をも含めた形での整備を求める県との行き違いなどもあり、県とどのような形が一番いいのかを試行錯誤しながら来たように思います。
民間団体に委託した県は県で悩みもあったと思います。この6年間、不安を持ちながらも信頼し、チブリ尾根の管理委託を我々に委ねてくれた県に感謝します。

この6年間、機械を入れずに手刈りで登山道の整備を行ってきましたが、思っていた以上に重労働で、しかも登山道の荒廃は人が利用する以上、必ず進むため、それえの対応も考えなければならず、この点でも試行錯誤の6年間でした。
登山道がその役目を終える10月の末の最後の巡検を終えると、運営委員会での責任者である僕は、今年も何とか無事終えたと、いつもホッとしていました。

〈 来年度は 〉
さて来年度ですが、県から今年度同様に「白山チブリ尾根(市ノ瀬別山線)登山道管理委託事業」の委託打診があれば、「白山の自然を考える会」ではこの事業を受けたいと考えています。
来年度は、草刈りでの手順や小屋の清掃などをマニュアル化し、少しは楽に活動がおこなえるようにすることや、登山道整備補修にもう少し力を注ぎたいと考えています。
併せて協力してくれている石川県勤労者山岳連盟の構成山岳会と連絡を密にして、より自然に優しい登山道になるように頑張っていきたいと、考えています。

チブリ尾根登山道を歩く人が、「この登山道は人手が入っているな、自然に優しい登山道になるように力を注いでいるんだな」と、少しでも思えるような登山道になればいいですね。そうなるためには、人手がいります。みなさん、今年も力を貸してください。
チブリ稜線で、鎌を手にして稜線から眺める別山はとても素敵です。自然と自分のことを、また一緒に考えましょう。参加を待っています。
以下は、2009年度の予定です。

1回目 5月24日(日) 巡見、倒木処理、チブリ小屋清掃
2回目 6月21日(日) 巡見、倒木処理、登山道整備、草刈り、チブリ小屋清掃
3回目 7月11日(土) 巡見、倒木処理、登山道整備、草刈り、チブリ小屋清掃
(可能であれば、小屋泊まり、翌日南竜から下山)
      12日(日) 巡見、倒木処理、登山道整備、草刈り、チブリ小屋清掃
4回目 8月23日(日) 巡見、倒木処理、チブリ小屋清掃
5日目 9月12日(土) 巡見、倒木処理、登山道整備、草刈り、チブリ小屋清掃
      13日(日) 巡見、倒木処理、草刈り、チブリ小屋清掃
6回目10月18日(日) 巡見、倒木処理、登山道整備、草刈り、チブリ小屋清掃

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白山高山帯・亜高山帯での事業が植物に及ぼす影響とは? 調査の概要
会員 清水孝彰

(前号から続く)
(3)五葉坂の沿道植生調査
光ケーブル室堂延伸が計画されている、五葉坂の水屋尻雪渓側の登山道沿いの植生を、ベルトトランセクト法により調査しました。この手法は、登山道から離れるにつれて、植生がどのように変化するかを定量的に把握するもので、登山道沿いの変化と登山道からの距離の関係を出すことができます。
この調査で、一見同じように見える、ハイマツ・オオシラビソ帯が、標高2400m付近を境に、植生が大きく異なることがわかりました。
・2400m以下:3㎡の区画内の種数は10種以上、林床の優占種はチシマザサやヒロハノコメススキ、オオバスノキ、ベニバナイチゴ等
・2400m以上:3㎡の区画内の種数は7種、林床の優占種はガンコウラン、コケモモ等
表2のように、林床植物の種類が2400mを境にほとんどだぶることなく、種数も大きく異なっています。2400m以上の出現種は、踏みつけに弱く、生長も著しく遅い種類ばかりであり、光ケーブルがストップしている弥陀ヶ原の植生と本質的に異なることを示したものです。五葉坂への光ケーブル敷設は、登山道以外の部分に行えば、弥陀ヶ原と異なり、林床の高山植物に確実に影響が出ます。光ケーブルが弥陀ヶ原でストップしたのは、不幸中の幸いともいえます。

表2五葉坂の沿道植生調査 植被率●10%以上 ○10%未満
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写真3 五葉坂のハイマツ帯
上:標高2400m以下  
下:標高2400m以上
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白山トンネル反対の要望書を提出
事務局

12月10日、白山トンネル反対の要望書を、県土木部と国土交通省金沢事務所に提出してきました(国交省北陸整備局へは金沢事務所経由、本省へは郵送)。景気の状況等から、着工の可能性は小さいと思いますが、粘り強く訴えていきたいと思います。
以下、要望書の内容です。

小松白川連絡道路(通称白山トンネルまたは加賀飛騨道路、以下小松白川道)は調査開始から14年目を迎えました。21世紀に入り開発から自然保護への大きな流れが一層強まっています、持続可能な社会実現という大いなる挑戦が私たちに求められています。
当道路計画対象の白山北部は将来世代に伝えるべき日本でも有数の自然遺産です。ブナ林が広がり絶滅危惧種のイヌワシやクマタカの猛禽類、ツキノワグマやニホンザル、ニホンカモシカの中大型哺乳類の生息密度が高い生物多様性豊かな奥山自然地域です。今日、温暖化緩和や適応と並び生物多様性の保全は持続可能な社会をつくる最重要課題となっています。  
石川県では能登地域を中心とする里山の生物多様性保全に力を注がれているところでありますが、これに加え小松白川道計画の見直し(白山スーパー林道が夜間と冬季に使用できないから長大トンネルを建設するという発想からの転換)に踏み切れば白山地域における生物多様性保全の優れた実行として高く評価されることでありましょう。

小松白川道計画を中止すべき主な理由
●小松白川道による小松ICから関東への時間短縮は20分弱と建設する必要性は低い。一方新幹線建設が進められており、白山周辺の高規格道路は東海北陸道と中部縦貫道(要所で建設進行中)とで充分間に合います。
●防災(地震、豪雨、雪害そして温暖化)対策や安全対策はもとより、既存道路の橋やトンネルの維持管理を優先し、建設費2千億円前後もの財政負担増となる当計画は見直すべきです。
●低炭素社会を意識した行動の変化や高齢化により自動車交通需要は低下に向かい、小松白川道は莫大な建設費に加え維持管理費が財政を圧迫する過剰なインフラと化すことでしょう。その上新鮮な水や空気、価値の高い風景をもたらす生態系サービスが開発により低下することは避けられないのです。
●トンネル工法は峠越えに比べ環境への影響が少ないとされていますが、ほとんど解明されていない地下の生態系あるいは建設や維持に要する莫大な資源やエネルギーを考えれば環境への影響は小さくないのです。
●コスト縮減として完成2車線を重点に検討されているようですが、ルート案(石川県・岐阜県・国の担当者によるルート帯検討会資料)に日本では未知数の15㎞~18㎞もの山岳超長大トンネルが含まれており、安全性確保に困難さを伴うことなど。

いったん調査区間に指定した道路は必ず建設するという旧習にとらわれることなく、計画見直しの英断を下されることを切に要望致します。




白山を巡る沢旅(その24)~終章 雪の架橋、日本海から白山へ! その4 加賀の谷と飛騨の谷と~
会員 鮎川正

境川の源流の穏やかなカールを辿りやがて主稜線、雄谷乗越と呼ばれるコルに出た。ここから稜線沿いに笈を目指すが、藪が多く途中でスキーを担ぐ。しかしスキーが薮に引っかかり難渋する。スキーは巧いがこの手の泥臭さは苦手な相棒が途中でギブアップ。3時を回った、このあたりが潮時か。笈を目前としながら雄谷シンノ又へと滑りこみ西尾根を越えて清水平を目指す。大笠山直下の雄大な千丈平の雪原を眺めながらシンノ又も快適に滑る。滝が一部露出していたが左岸から越えられ問題なし。1160m付近で打ち止めとし左岸を80mほど登り返すと笈西尾根。ここから清水平へ滑り込むとブナをはじめ広葉樹に囲まれた別天地の清水平へ。今宵のねぐらを求めて雪割れしている脇にツエルトを張った。晩飯を調達すべく竿を出すもあたり無し。集めた薪も水分をすってか上手く焚き火にならず、腹を空かせた寒い夜となる。

ブナ林の雪原ながらブナ林がシェルターとなったのだろう。ツエルトの中はバリバリに凍ることなく意外に快適。早朝雪の締まった清水谷をスキーで詰めて蛇谷岩底谷のコルへと這い上がる。ブナオ山、冬瓜山からの涼この稜線は笈を目指すメインルートでもある。トレースがあり登山者もちらちら見える。岩底谷を覗くときれいな純白のスロープ。う~ん、ここも滑ってみたい。まもなく主稜線のジャンクションピークに到着。ここでシールを外す。ここから再び境川水系の飛騨側へ。ちょっと微妙なトラバース滑降が要求される。先ずはト谷源流。ここもそのまま滑っていきたくなる広大なカールだが、辛抱のトラバース滑降。ボージョ谷左岸尾根1583mを越えて、続いてボージョ谷源流をトラバース滑降。ボージョ谷源流はクレバスが多く神経を使う。斜面を切るこのトラバース。雪質が安定していないと雪崩れが恐いが、ここはむしろ滑落とクレバス落下に気を使う。仙人窟岳北西尾根1480mコルへ。斜滑降と部分的な階段登高で北西尾根のコルに到着。尾根の反対側に加須良川源流が見える。辿ってきたボージョ谷の大カールも素晴らしい。仙人窟岳もごつい山容で、山頂からボージョ谷へという課題がまた増えた。
加須良川上部は快適なスキーイング。ただ下部の平坦部は大雪崩れのデブリランドで滑りにくい。途中で側壁から流れ落ちる谷水で水分補給。谷ルートをつなぐスキーツアーの最大のアドバンテージがこうした随所での水分補給だ。春の雪解けを喉越しに受けさらに雪の回廊を滑り込み大きな支流出合いでスキーを止めた。国見山の直登沢出合いだ。
国見山直登沢をスキーで上がり傾斜がきつくなるところで左岸の尾根へ這い上がる。案の定上から直登沢上部からブロックの崩壊。昼近い時間帯は要注意だ。国見山の肩からシールを外しなだらかなフクベ山を越える。滑るによさげなフクベ谷の支流は割愛して主稜線を辿り三方岩岳のコルへ到着。加賀側の蛇谷西面は雪が予想以上に少なく予定したフクベ谷源流からオモ谷へはとてもスキーでは入れない模様。仕方がないのでそのまま主稜線を辿り野谷荘司山を越える。白山本峰がぐっと迫ってきた。適当なくぼ地でツエルト張り久々に雪で水を作り貧相な晩飯を肴に大きな夢を語り合う。

朝日を浴びた主稜線をスキーで辿る。三角錐の妙法山の登りのみ担ぐが、結局蛇谷オモ谷へスキーで下るには妙法のコル以北の支流になりそうだ。庄川大白水谷の源頭からオモ谷源流に入る。以前滑ったここは針葉樹のまばらな緩いカール。ここをベースに周辺を滑るのも悪くない。オモ谷から大白水谷へと一気に滑れるし。またまた課題が増えるなあ。やがて三俣峠。主稜線と中宮道との合流点だ。ここから仙人谷支流へ滑り込む。稜線際はヤブが濃いがすぐに快適なカールとなる。途中から仙人谷右岸台地を絡むように斜滑降で仙人谷へ近づくと、なんと雪割れで滝が露出。無雪期に遡行した折の核心の小滝部分だろう。右岸から入る支流に雪が繋がっていればなんとか巻けそうだが・・・・・。2000年5月にはこのあたりは完璧に埋まっていた仙人谷だが。どうもこの周辺は黒々としている。前半部に比べると雪の多さを感じさせない。判断に迷うが仙人谷に降りきって行き詰まると登り返しに相当労力が要りそうだ。空には筋雲が走りはじめ天候の悪化も予想される。シールをつけて右岸台地状から主稜線へ戻ることにした。
主稜線に戻る頃には風がきつくなり天候悪化は時間の問題だろう。主稜線を辿り本峰東面の大白川源流の大カールへ。ここで荷物をデポして本峰を往復しよう。しかし相棒氏はここで二度目のギブアップ宣言。ここで待ちますから、といってきかない。連日の長時間行動は確かに身体に来ているが、神々の頂きは指呼の間だ。頑張れんか?無理です。あと少しだが・・・・。明日天気がよければここで寝るのも一案だが、見上げる空はどす黒い雲が次々と迫りつつあり風もきつくここで停滞するにはちょっとまずい状況。ここまで来ながら・・・・。
彼にツエルトを被せて、ここを動くなよ、ときつく言い聞かせる。一時間以内に必ず戻ってくる、と約束しスキーのみつけて一人本峰へ向かった。




環境について考える21 二酸化炭素の見える化!(カーボンフットプリント、カーボンオフセット)
会員 三津野 真澄

昨年11月、環境省から2007年度に日本全体から排出された温暖化ガスについて発表がありました。CO2換算で13億7100万トン、前年度比で2.3%増であり過去最大です。このような状況では、京都議定書に定められた「1990年度比でマイナス6%」の達成は非常に難しい‥‥。削減しなければならないのに、増加しているのですから。
「でもCO2の排出量を減らすと言われてもCO2は見えないし、漠然としてイメージしにくいなぁ」と思った人はいませんか?ホントにそのとおり。そこで、今回のテーマは『二酸化炭素の見える化!』です。

(1)カーボンフットプリント
まず、最初は「カーボンフットプリント」。これは、商品の製造から輸送、販売、廃棄までの全プロセス(ライフサイクルと呼びます)で排出されるCO2量を算出し表示するものです。フットプリントとは直訳すると「足跡」ですが、その商品が地球に及ぼした影響を足跡と表現したのです。
商品には「CO2排出量○○グラム」と具体的に数値表示されます。“同じ商品を買うなら環境に配慮した商品を選びたい”、という心優しい方にピッタリ!カーボンフットプリントはとても参考になるデータです。
この取り組みは、EU諸国ですでに始まっています。例えば英国、スーパー最大手のテスコTescoがプライベートブランドの商品に表示しています(図1)。ジャガイモ、オレンジジュース、洗剤、電球などで開始され、順次増やしていくそうです。

図1:Tescoのカーボンフットプリントの表示
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日本でも経済産業省が中心となって研究会が発足し、検討が進められてきました。そしてサッポロビールが主力商品の「サッポロ生ビール<黒ラベル>」で、1缶と1瓶当たりのCO2排出量を今年から表示すると発表がありました(図2)。

図2:サッポロ生ビールに今年から表示されるカーボンフットプリント
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同社は「CSRレポート2008」の中で、<黒ラベル大びん(633ml)と350mlアルミ缶について、2003年から2005年にかけてのライフサイクル全体のCO2削減量を評価しています。興味深いので抜粋して一部を紹介しましょう。
まずはライフサイクルのどこでCO2が排出されるか、全プロセスでの量を計算します。
サッポロビールはこの各プロセスを徹底的に見直し、削減に取り組んできたそうで、350mlアルミ缶1本あたりのCO2排出量の削減効果は以下の通りです(図4)。

図3:ビールのライフサイクルでCO2が排出されるプロセス
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図4:サッポロ生黒ラベル1缶あたりのCO2削減効果
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缶製品は容器製造段階で排出されるCO2が最も多く、ライフサイクル全体の5割以上を占めていることが分かります。アルミは精錬で大量の電気が必要だからです。現在、従来の206径から2mm縮小した204径に切り替え中で、終了すると缶1本当たりのアルミ使用量が1.9%削減されるそうです。(たった1.9%といえどもトータルでは膨大な量のCO2でしょうね。)
一方びんでは、図5のようになります。容器製造でのCO2排出量はぐんと少なく、びんの方が缶よりもライフサイクル全体での排出量も低いそうです。飲むんだったら缶よりびんということですね。

図5:サッポロ生黒ラベル1びんあたりのCO2削減効果
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さて、私たち消費者もカーボンフットプリント等を参考に、環境に配慮した商品を選び、環境に取り組む企業を応援していきましょう。

(2)カーボンオフセット
最近、CO2の「排出権取引」という言葉をよく耳にするようになりました。排出量つき旅行パック、カーボンオフセット飲料、そしてオフセット付き雑誌定期購読まで‥‥。(ちなみに朝日新聞社のアエラです。)厳密に言えばカーボンオフセットは直接「二酸化炭素の見える化」とはいえないかもしれませんが、深く関連しますので言及しますね。
さて「カーボンオフセット」とは、どんな意味? 環境省は次のように定義しています。
[1]まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、
[2]どうしても排出されるものについて排出量を見積り、
[3]排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせること。
一言で言えば、CO2削減の自助努力にも限界がある場合、余裕のある国や企業から二酸化炭素の排出権を購入し、京都議定書の達成を目指すもの。つまり、カーボン(二酸化炭素)オフセット(相殺する)。 
*詳細は環境省京都メカニズム情報コーナーのページへどうぞ
(http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/index.html)

たとえば先のアエラ購読を申し込むと、朝日新聞出版社がブラジルのバイオマス発電所から、1人当たり年間365kgのCO2排出権を購入することになっています。商品の売り上げの一部を相殺費用に充てるのがカーボンオフセット付き商品で、私たち消費者はこれを選んで購入することで、地球温暖化防止に貢献できるという仕組みです。
最近になって急激に増えてきたカーボンオフセット付き商品、そのひとつを紹介しましょう。日本郵政のカーボンオフセット年賀状。1枚につき5円の寄附金が付加されており、葉書表面の下部には、このように書かれています。
「寄付金は、地球温暖化防止を推進するプロジェクトを支援し、京都議定書の日本の温室効果ガス削減目標6%に貢献します。」
日本郵政のHPによると、この年賀状は「クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:CDM)」を活用していると説明されています。HPには昨年度のカーボンオフセット年賀状に関するCDM結果報告がされており、
・総額    1億4985万円
・資金提供先 アルゼンチンの風力発電所、韓国の風力発電所、ブラジルの木質バイオマス発電所
・削減されたCO2量 38175トン

来年の年賀状、このカーボンオフセット年賀状はいかがでしょうか。

図6:カーボンオフセット年賀状
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ところでCO2排出権の取引については市場があり、価格は1トン当たり約3千円で高騰が予想されています。私たちが日常生活で削減に取り組めば、高いお金を払って排出権を購入しなくてもよいということになりますね。まずは削減努力‥‥。

(本文中の図2~5と関連データ出典は「サッポロビールCSRレポート2008」)




事務局短信

11月 7日(金) 運営会議(10名)
11月16日(日) 高尾山自然観察会(雨天中止)
11月24日(月) トラスト用地巡検(2名)
12月 5日(金) 森林管理課と話し合い(3名)
12月 5日(金) 運営会議(9名)
12月10日(水) 県と白山トンネルについて話し合い(4名)
12月10日(水) 国交省と白山トンネルについて話し合い(2名)
12月15日(月) 事務局会議(3名)
12月25日(木) トラスト用地地主と管理請負契約(3名)
 1月16日(金) 運営会議(7名)
 1月26日(月) 会計監査(5名)




カンパありがとう

出村千恵子 岩田京子  中野厚子  崎田律子 家倉平八
今井隆信  井澤 厚  井上道博  出渕敏夫・たき子
窪田美代子 小沢広和  中村喜代子 中山美智子 新谷貴子
荒井重紀  車 康子  大塚好美  池本節子  匿名1名  

【トラスト基金寄付】
木村久吉  石野 洋  森田信彦  塩梅 修  米山 豊
垣本哲夫  中山美智子 立山自然保護ネットワーク




私の声 みんなの声

会報、毎回楽しんで読んでいます。毎年白山に2~3回登りますが、新しいルートに挑戦しています。岩田美穂子

カンパ少なくて、すいません(苦笑)。活動がんばってください。小沢広和

このたびは、トラスト地取得おめでとうございます。自然林への回復を考えているということで、アイディア等ご協力できればと思います。茅野恒秀




でかけてみませんか

■3月8日(日)第20回総会
13:30~17:00
石川県青少年総合研修センター
金沢市常磐町212-1
記念講演 講師 菅野康祐氏(環境省白山自然保護官)

■2月15日(日)かんじきハイキング
冬の医王山 自然観察
集合:8時30分 見上峠
参加費:300円(保険料含む)

■4月19日(日)雑木林春の詩 パート20
白山市河内地区 舘裏山
集合:白山比咩神社 8時
参加費:300円(保険料含む)




編集後記

白山の自然を考える会二十年の記念イヤー。
ブナを中心とした講演会、記念登山、年表作り、写真展、昔の白山の写真、立食パーティ、トラストの事、会報1号~、会報へシリーズのまとめをする等々、大切なキーワードを皆で考えてみては・・・・。
(Ka)