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●会報しらやまNo75 2007年8月発行

絵手紙
大塚好美

目次

クリーン活動に参加して 
白山トンネルに反対の声、続々と 
道路ネットワークという怪物 
自然保護団体紹介(その10) 全国自然保護連合 
ちょっと一休み やまなめくじ 
白山を巡る沢旅(その19) ~本峰周辺の沢・褐色の中の川 その4 サラサラ崩の大岩壁(1)~ 
環境について考える15 夏至の日に思ったこと(ライトダウンとフードマイレージ) 
事務局短信 
新入会員 
カンパありがとう 
私の声 みんなの声 
でかけてみませんか 


クリーン活動に参加して 
米山 寛

私にとって取立山は二度目となり、前回は白山を望めなかった。今回は望めそうである。クリーン活動よろしく早速ゴミ袋を各自渡され、イザ登山へ。今日は天候にも恵まれ気温も高くなりそう、爽やかな登山が望めそう。6月にもなれば新緑も濃くなり始め、道も日陰が出来、日差しも和らげてくれそうである。春の花もそろそろ終わり、夏の花へと移るころか。そろそろクルマバハグマ、カメバヒキオコシ、アキギリなどが葉を広げ花芽も伸ばしているものである。
大滝までみなさんのんびりと和気あいあいと歩き、谷間に様々な野鳥のさえずりが次々と聞こえてくる。ウグイス、オオルリ、ミソサザイ、遠くでツツドリ、ホトトギス、ジュウイチまでさえずっている。大滝は、何々大滝と名前とか付いていないようで、ただの大滝であるが滝壺はかなり小さい。
ここから少し山道らしくなり、しばらくで広い道に出てコツブリ山まで九十九折をゴミを拾いながら歩く。途中、ヤマカガシかマムシに出会う。誰かはマムシ、誰かはヤマカガシとおっしゃるが、模様はきれいだが私はどうも爬虫類は苦手である。当の爬虫類は悠然とはっていく。
コツブリ山頂に出ると、白山が目の前に広がって我々を歓迎してくれているようである。今年は暖冬で残雪はかなり少ないようである。切り払われた笹原にはワラビの小さいのがニョキニョキと何本も出ている。白山を背にゴミ袋をこれ見よがしに出して記念写真を撮る。
後は避難小屋から取立山頂までわずかである。避難小屋の周りはゴミは多く、かなり大きいものもあり、他に多くのフンがしてあり我々の手に余る。トイレもかなり汚れている。

取立の方から3人の登山者が通る。1人の女性の背にはユキザサの株が袋に入っている。高橋さんは女性に穏やかに採取しないようにお願い申し入れをする。
今度は、我々の後から犬を連れた登山者が登ってくる。話を聞くと遠路、名古屋から来られたとのこと。再び高橋さんはやんわりと、犬の山への連れ込みは生態系に余りよくないと説明してお願いする。
最近の登山者のモラルが少しずつ欠けてきているようである。テレビでも最近年配の夫婦連れがキャンピングカーに犬を連れて方々の山に一緒に登山するのを見る。いくら家族の一員でも、山の最低限のルールは守って欲しいものだ。草花を取るのも、写真で撮るくらいにとどめて欲しいものだ。

取立平から頂上まで草原を行くようで気持ちが良い。今日は、マイヅルソウとわずかにユキザサを、イワカガミ、イワウチワが数株遅咲きを見つけ、何か得した気分。
山頂は多くの登山者で、座るところ少ないくらいである。爽やかな空気、振り返ると白山を再び拝顔する。頂上は低いブナ林である、中腹部までブナがつづいている。取立山は手軽に登りやすくしかも白山が近くに展望出来る魅力が、多くの登山者を惹きつけるようだ。
昼食後、下山途中からは少々長い林道らしき道を下って今日の登山を終える。

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白山トンネルに反対の声、続々と 

私たちは当初から白山トンネルの建設計画に一貫して反対の立場をとってきました。行政との話し合いや情報公開請求、署名活動やちらし配りなど様々な活動を通して皆さんに訴えかけてきたつもりです。しかし、まだまだその反対運動の裾野は広がってきているとは言えません。むしろこれから多くの皆さんにこの計画に対する反対の輪を広げていくために、会員・非会員の方を問わず、率直な反対の思いを文章にして頂くことにしました。今回は4名の方にお願いをしました。次回からは、皆さんの思いを掲載していきたいと思っています。投稿をお待ちしております。
○面積も絶対的経済資源も限りある地球で、世界が自然環境保全・復元を急務の実施課題とする現在、残り少ない日本の天然林の象徴でもあるブナの原生林が分布する白山の山並みに長大なトンネルをくりぬき、50キロメートルもの「小松白川連絡道路」をとの計画は、交通・観光・物流等のわずかなメリットを差し引いてなお、巨大な人類の「負の遺産」作りに貢献するのは明らかであり、足元を照らせば自然再生へのライフスタイルの変革にこそ智慧と汗を出す価値があると気づくはずだ。
ナチュラリスト  上村 彰

○アメリカ大陸にコロンブスがやって来る以前からそこに住むアメリカ・インディアン。
彼らは、走ることが祈りにつながるという。「母なる大地」と言って、大地に対する敬いの心を忘れない。元気に大地を踏みしめ駆けるその「どんどん!」という音を聞いて、母なる大地も健やかなる我々の生を喜ばれると。
同じく私たちの国「日本」の、国技は「相撲」。神に近い大きな体を持った者たちが、土地を清める塩をまいてしこを踏んで大地に感謝の心をささげる。
忘れてはならないものがある。守っていかなければならないものがある。守られてきたからこそ、私たちも守られてきた。
 「白山」
この山の恩恵でつながって生きている私たち。トンネルを掘らないという選択は、母なる大地に感謝し、互いに敬いの心を持って生きるということ。どことどこが何分間短縮できるというちっぽけな価値観に揺るがされるわけには行かない。断じて白山トンネルの建設に反対します。
みどりのテーブル運営委員    熊野盛夫

○白山に道路が必要なの
開発が自然との調和や自然保護を前提に考えられるのなら、このような計画は立案されないのだろうと思う。アフリカのケニアでは大ナクル水道計画でフラミンゴが。ソンドゥ・ミリューダム計画でマサイの聖地の滝が枯渇。今、ナイロビ道路交通網整備計画でスラム住民の人権問題や希少種植物に影響が。これ、全部ODA(政府開発援助)のお金。どこまでやっても、懲りないのかなあ。  
ハートいしかわ 須戸 哲

○ある時一人でハクサンコザクラを見に行った、岩間へ抜ける途中ガスの中にその一群を見た。ある時砂防新道を登っているとざざざっと駆け上がる黒い物、まっすぐこちらを見つめるのはカモシカだった。美しく豊かな自然は微妙なバランスの上に成り立っている。動植物はその身を置ける場のみがあればいいのではない。もっと大きな生息域が必要なのだ。釧路湿原においては横断道路が植物の植生を変えさせ、通行するトラックに鳥たちがおびえている。同じ過ちをしてはならない。
沼澤 千加




道路ネットワークという怪物 
白山トンネル特別部会 栗山宏人

白山トンネル(小松白川絡道路の通称)計画は
①白山国立公園を横断する
②日本有数の長大トンネル(10km~17.7km)
という2つの特徴を持ちます。
計画対象の白山北部はスーパー林道を除きほとんど人手が入っていない生物多様性豊かな森林であり、重要な水源地域です。私たちはこれを残さずに後世に何を伝えることができるのでしょうか。
スーパー林道は自然保護の意見を押切り建設され、30年経ちました。白山トンネル開発の理由の一つにスーパー林道は夜と冬利用できなくて不便があげられます。何とわがままで限のない欲望であろうか。

■白山トンネルの調査は1994年に開始されました。財政再建問題と無駄な公共事業反対運動に阻まれながらも、事業者である石川県、岐阜県、国交省金沢は昨年3月に「ルート帯検討委員会」を設置しました。2007年度に事務局案を出す、2008年度にPI(市民参画)プロセスを開始する方針です。PIは開始から1年前後で結論が出される仕組みですから、2010年頃着工が目標と考えられます。実際にはアドバイザーの選定がまだであり、遅れが見られます。

■7月13日に昨年度調査分の情報公開が行われました。他のメンバーは都合が悪く、今回は高橋外男さんと私の2名が会側の参加者です。その場に鶴井道路建設課長が初めて顔を出し、20分程度の意見交換が実現しました。「計画がスタートした時点より(実現の)可能性は落ちている」と語ると同時に「反対ありきの活動か、相容れるものがあるのか」と当会へ疑問をぶつける場面もありました。対面通行の長大トンネルは危険との指摘に苛立ちを隠せないようです。そもそも防災面をクリアしないと事業化できないという説明は職務上尤もです。また、世界遺産登録に影響があるだろうかと問いかけられました。審査過程にもよるが影響はあるだろうと答えておきました。

■昨年、国交省金沢事務所の奥村係長に全国の地域高規格道路について次の質問を行いました。計画が中止となった例があるか、国立公園を横断する10kmもの長大トンネル計画が他にあるか。1ヵ月後に届いた答えはいずれもないということでした。つまり、一旦始まった地域高規格道路計画は止まらないという神話が確認できたのです。

■ただし、「建設しない案」を事業者が選択する可能性は残されています。命の源である水を豊かにもたらす白山に敬意を示し、計画中止に踏み切る英断は将来の世代から高く評価されることでしょう。
全国を高規格道路で結ぶ広域道路ネットワークは確かに便利です。が、道路を建設し続ける、貴重な自然と人と財政を喰い潰す怪物にならないよう願うものです。白山トンネル計画の是非を市民とともに議論する場を設けるよう求めたい。


自然保護団体紹介(その10) 全国自然保護連合  清水孝彰

全国自然保護連合は1971年6月、全国で自然保護運動に携わっている市民団体が連合して結成されました。結成には、石川県自然保護協会も関わっています(会報しらやまNo.72参照)。

1960年代からの高度経済成長の歪みがまず公害という形で表れ、また目先の金儲けのために残されている自然がどんどん破壊されていく時代でした。そのような風潮に抗して、全国に様々な公害反対運動、自然保護運動が起こってきました。全国的な環境破壊に対して、全国に散在する自然保護の市民・住民運動の連携の場が必要とされていたのです。
以降、さまざまな運動が繰り広げられてきました。“自然”や“環境”という言葉は一般化し、いまでは「環境保護」「自然保護」に表立って反対する人はいないでしょう。しかし、事態は一向に改善されず、ますます人間による自然破壊は進み、経済侵略のかたちで東南アジアをはじめとする諸外国に広がっています。政府や財界による「地球環境」キャンペーンは、事態の深刻さを訴えてはいますが、それに至った経緯と責任を隠蔽して「一億総加害者」とする役目も果たしています。また、近年は、「自然とのふれあい」「国民のニーズ」を旗印として観光開発・自然破壊がすすめられています。
全国自然保護連合は、官庁に所管される法人団体とは異なり、環境保護のための純粋な市民運動団体の連合体としては日本で唯一無二のものとなっています。運動の主体は加盟団体の運動そのものであり、加盟団体相互で情報の交換や運動の支援を進めています。
結成以来、各地の自然保護団体を基盤として「全国自然保護大会」を開催してきました。1971年に第1回大会を箱根で開催して以来、2000年の第25回大会まで、ほぼ年1回のペースで開催しました。1994年の第23回石川大会は、白山の自然を考える会も開催に協力しています。2000年以降、加盟団体の運動の変化に合わせ、それまでの大会よりも規模を縮小し、総会に合わせたシンポジウムや現地交流会に切り替え、年1回開催しています。大会や総会では決議を採択し、行政交渉などに役立てられています。




ちょっと一休み やまなめくじ 
三坂岳応

会報が出る頃は梅雨も明けているでしょうが、梅雨の主役?ナメクジ。チブリ尾根では下部樹林帯で時々見かけるのがこのヤマナメクジです。庭などで見慣れたナメクジと違って、体長15cm以上にもなる巨大さ、黄褐色等の色彩から、全く別の生物かと思うほど壮観です。

ナメクジ・カタツムリ・キセルガイなどは、食用のバイガイ・アワビ・サザエなどと同じ巻き貝の仲間ですが、水中でえら呼吸をする貝と違うのは、この一群は有肺類と言って、肺に似た呼吸器を持つ事で陸へ上がったグループで、陸生貝とも呼ばれます。よほど水中が住みにくかったか、渚の彼方にこそ幸いがあると思ったか・・?
その内ナメクジ類の多くは硬い殻を無くしてしまいました。確かに貝殻は乾燥や捕食者から身を守るには好都合ですが、一般にカルシウムに乏しい陸上で貝殻を作るのは相当大きな負担で、人家の近くに住むカタツムリはコンクリートをかじってカルシウムを補給すると言われます。又水中と違い、重く大きな貝殻はすばやく(彼らのレベルでの事ですが)移動するにも複雑な地形を通り抜けるにも不利です。日本に数種しかいないナメクジ類に対して、カタツムリ類が地域ごとの固有種として数百種にも分化したのも、この行動(交際?)範囲の狭さが大きな要因かもしれません。

その点ナメクジ類は、乾燥のリスクには、体内に多量の水を貯え、表面を強い粘液で覆って夜間だけ行動する事で解決、身を守る貝殻を温存するより、省資源と身軽に行動する方を選んだのでしょう。中には背中に貝殻の名残である「甲羅」を持ったチャコウラナメクジという帰化種もいて、昔から庭などにいた普通のナメクジ(今やめったに見られない)に代わって勢力を広げており、時に畑の野菜や花壇の花を食害する事もあります。

同類のカタツムリ類はいかにも貝らしい貝殻を持つためでしょうか、由緒正しいフランス料理にも登場し、童謡にも歌われ(確かにナメクジの歌ってあまり聞かないなあ)、絵にも描かれて子供達に人気があるのに、ナメクジ類はどうも疎外されているようです。しかしこの世界に無益なものがあるはずがなく、彼らだって可憐な花と同様、自然の一構成員として平和にその役目を果たしているに違いありません。
詳しい生態はよくわかりませんが、カタツムリ類同様、おろし金状の「歯舌」で、葉っぱや、樹皮などの表面に着いた藻類などを削り取るように食べているようで、時々その跡を見かけます。
他の個体との出合のチャンスが少ないためか同一個体が両性器を備える「同時的雌雄同体」、相手と出会えれば交接して遺伝子を組み替えた卵を産み、出会えなければ自分だけでも卵を産むそうです。

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山ナメクジ(チブリ尾根)

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ヤマナメクジの接合or産卵(加賀禅定道)




白山を巡る沢旅(その19) ~本峰周辺の沢・褐色の中の川 その4 サラサラ崩の大岩壁(1)~ 
鮎川正

「1,2,3・・・」。
25歩でワンサイクル。2万5千の地図上で1mm。中宮尾根はでかい上に支尾根が多く闇雲に進むと墓穴を掘る。かつて白馬岳の天狗原でホワイトアウトの中、リングワンデリング(同じところに戻る円周行動)を実際に体験した身には、人間の方向感覚の脆弱性が骨身にしみる。人間追い込まれると都合のいい方に解釈しがちだ。慎重に歩を進め時折変な方向に進む相棒氏を諌め、ようやく間名古のコルに到着した。雪に埋もれたスキーを回収する。あとは、スキーをかっ飛ばすだけ。側壁からの雪崩に注意して間名古谷に滑り込む。高度を下げると風雪弱まり視界も取れてきた。樹林の安全地帯まで滑りようやく荷を降ろし一息ついた。はっきり言って視界の無い雪原のような中宮道のルートファインドのほうが地獄尾根より数段難しい、と感じた。おまけにコルに着く直前雪を落とすためにピッケルでアイゼンを叩いたら、爪が折れバックルが取れるというハプニング付き。地獄尾根登攀中だったら、無事には帰れなかっただろう。
ようやく長年の夢がかない感無量。地獄尾根はスケール的には北アルプスの不帰の一峰尾根程度だが、技術的にはそれよりはやさしく感じた。もっとも雪の付き具合で難度は相当変わるだろうし、なによりも地元白山の積雪期バリエーションルートの再トレースは、偉大な先蹤者たちに一歩近づき、また白山の懐の奥深さを体感できた旅だった。
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白山地獄尾根登攀中

白山には岩場がない、というのが石川県内の山屋の常識らしい(石川県というより、全国の、というべきか)。確かに山スキーと沢の山というのが白山の特色だろう(一般的には高山植物と日本三名山、というべきか)。しかし、谷を歩き、山スキーを走らせれば、白山にも大いなる岩場が目に映る。別冊太陽の『日本の秘境』で紹介された境川大畠谷二俣の大伽藍が世情有名だが、地元金沢大学山岳部の諸先輩が心血を注いだ、中の川の巨大岩壁も見るものを圧倒する。この壁を真近で見たのは15年前、単独で仙人谷遡行を試みたときだ。中の川下部廊下帯で流されかけて、水が引くのを噴泉塔の温泉で遊びながら日長一日待っていた折、周囲の岩壁群に目を瞠らせたものだ。もっとも目を引くのが左岸のサラサラ崩と呼ばれる、高距300m近い岩壁。右岸にも帯状に岩壁帯が広がる。驚くなかれこの右岸壁に40年ほど前にすでに金大山岳部によって登攀ラインが引かれている、と知ったのは、今回の中の川側壁の登攀パートナー氏により聞かされてのこと。毎度のことながら偉大なる先輩方の足跡とその勇気に驚かされる。今回のルートはパートナーである、野良犬氏(仮名)の推す右岸壁。野良犬氏もこの中の川の岩壁を狙っていたというから似たような物好きはいるものだ。
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中の川右岩壁

秋の深まる早朝、三俣発電所の送水管の階段からこの日は始まる。岩間林道が閉鎖されて今年も開通の見通しが立っていないためだ。ぶつぶつ文句を言いつつ汗を流しつつ二時間半、噴泉塔のある中の川に降り立つ。地獄谷以来2年ぶりか。下部廊下の渡渉をくり返しつつ右岸の支流を見送ると、目指す右岸壁へ続く支流だ。出合いの15mほどの滝を右手のルンゼから巻いて落口でロープを結ぶ。25mほどの滝を快適な2Pで壁の取り付きに到着。見上げる壁にルートはいくつも引けそうだ。今回は正面のフェースから黒い壁を右上して越えるラインを想定する。壁の下部2Pは中の川とは思えない固い岩に感動する。順層でぐいぐい登れる。しかし、その後右上するピッチは持つホールド全て剥がれそうなボロボロな壁に変わり、アドレナリンの分泌が活発となる。ハーケンは効きそうもない。野良犬氏が下から叫んでいる。「降りて来て迂回しよう・・・」。確かに危険だが・・・・。
逡巡するがここは何としても越えたい。手で岩を叩き固そうな部分にナッツを噛ませる。心のよりどころにして、1ムーブ毎に騙しすかしなだめつつ登る。これぞ女の口説き方、じゃなかった、中の川の岩壁本来の登り方なのだろう。アドレナリンを放出してようやく固い黒い壁に入り傾斜の落ちたテラスに辿り付きコールをかける。頭がぼうっとしながらロープを手繰りつつ、振り返ると対岸のサラサラ崩れが聳え、その奥には白いベールを被った白山が眩しく見える。最後にガレたルンゼを登って終了点となる開けた尾根に出てロープを解いた。中の川の右岸壁は実質4Pと短くぼろい壁であったが、愛しの白山だから許せる!と身びいきに思う。偉大なる先蹤者たちに一歩でも近づいたであろうか?秋の色彩眩い山肌に黒々と聳える対岸のサラサラ崩の大岩壁がしかし本命だ。特に正面壁の左手のルンゼ状スラブはピーク近くまで伸びて食指が湧く。この壁こそ未踏のはず。来年、また再訪の機会があるだろう。
「来年、さくっと終わらせましょう!」軽口を叩いて腰をあげ、簡単な岩稜を辿り、風情の満ちたブナの尾根に入り薄い薮をこいで中宮道へ出た。しかし、中の川の巨大岩壁の洗礼がほんの序の口だったとは、まだこのとき知る由もなかった。




環境について考える15 夏至の日に思ったこと(ライトダウンとフードマイレージ) 
三津野 真澄(会員)

夏至の6月22日、日本の各地ではライトダウンしてロウソクの明かりで夜を過ごそうという運動がみられました。エネルギーを大量に消費している今の生活を見直し、温暖化問題や地球の未来について考えよう、というのが運動の主旨です。そして私もその夜は、山代温泉「葉渡莉」でのイベントに参加しました。消灯された館や庭にはキャンドルの炎が静かに揺れて、みなさんの表情もゆったり優しかったことが嬉しかったです。

以前、南米のコロンビア共和国で2年間過ごしたことがあります。現地では地方の村々を回る仕事が多かったのですが、そのほとんどには電気が通じていませんでした。現地の人たちは夕方には仕事を終え、家族そろっての夕食はかまどやロウソクの灯りの下で行います。その後の時間は家族や友人とのおしゃべり、外に出れば地平線まで星空が広がっていました。最初面食らった私でしたが、やがて夜のゆったりとした時間が楽しみになりました。
本来、夜は癒しの時間だったはずです。ところが今の日本はどうでしょう。24時間営業のコンビニやスーパーは増加する一方です。確かに便利ですが本当に必要でしょうか。都市部ばかりではなく地方の幹線道路沿いには、ギラギラと照明が輝き、深夜営業のファミレスには小さな子どもを含め結構なお客が入っています。(先の話、実はコロンビアから帰国した際の逆カルチャーショックの方が深刻でした。「日本の夜は疲れる‥‥」とノイローゼ気味に。)
休息・癒しの時間を確保するために、深夜営業に規制をかけるというのはいかがでしょうか。同時にこれは温暖化防止の有力な手段となります。私達の健康と地球の健康が同時に守られる素晴らしい方法だと思うけれどなぁ‥‥。

さて「葉渡莉」の社長さんとの話の中で、食材は地元のものを使う、ということがありました。地元産の野菜や魚は美味しく新鮮ですが、加えて環境保全の点からも二重マルです。
みなさんはフードマイレージ(food mileage)という言葉を聞いたことはありませんか。「食料品の(=food)輸送距離(=mileage)」という意味で、各食料について重量×距離(単位:トン・㎞)であらわされます。食品の生産地と消費地が近ければフードマイレージは小さくなり、遠くから食料を運んでくると大きくなります。遠距離輸送の食品では輸送の過程で大量のCO2を出しますから、フードマイレージは地球への負荷をあらわす数字なのです。(各食品のフードマイレージの値は、例えば次のHPで見ることができます。
http://www.food-mileage.com/database/
食料自給率が4割で大量の肉類、穀類、豆野菜を海外から輸入している日本は、フードマイレージは世界最大です(表参照)。さらに最近は輸入ミネラルウォーターを飲むことが人気となり、フードのみならずドリンクマイレージ(という言葉があるかどうかは知りませんが)も、うなぎのぼりです。
さて、何気なくお店で手に取るお豆腐ひとつについても、国産大豆製なのか北米産大豆製か、ぜひ考えて選びたいものです。「えっ?中国産の方が5円安いって?」5円安いからって本当にいいのでしょうか。地球の将来はこうした5円の積み重ねで悪化していくのかもしれません‥‥。
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事務局短信 

5月11日(金) 運営会議(13名)
5月27日(日) チブリ尾根巡検(6名)
6月 1日(金) 運営会議(10名)
6月 3日(日) 取立山・クリーン活動(13名)
6月12日(火) 事務局会議(5名)
6月24日(日) 赤兎山・自然観察会(17名)
6月25日(月) 参院選アンケート案検討(5名)
7月 1日(日) 白山トンネル反対チラシ配布・別当出合(2名)
7月 6日(金) 運営会議(9名)
7月10日(火) 参院選白山トンネルアンケート結果公表
7月13日(金) 県情報公開説明会(2名)
7月21日(土)~22日(日) チブリ尾根草刈り




新入会員 

長田 実
中川佐智子
徳田年英
中田正浩




カンパありがとう 

瀬尾歳子
中田正浩
中田信之
耕納静子
高山アキ子
鈴木 徹




私の声 みんなの声 
いつもありがとうございます。通信は毎回楽しみにしています。出渕瑞穂




でかけてみませんか 

■8月18日(土)・19日(日)
白山登山
集合:鶴来道の駅 しらやまさん  6時
連絡:加藤 正現
調査登山のため、本会理事が何名か参加します。
一般会員の参加者は少数とさせていただきます。

■9月15日(土)・16日(日)
チブリ尾根草刈り
集合:鶴来道の駅 しらやまさん 6時
担当:米山 豊 


■9月30日(日)
子ども秋のクリーン活動(奥獅子吼山)
集合:白山比咩神社 8時
担当:加藤 正現


■10月14日(日)
白山ろく見て歩き(大白川散策)
担当 垣本 哲夫
バスを借りていきます。

■11月4日(日)
自然観察会(医王山 ナカオ新道 白兀山)
集合:見上峠 7時30分
担当:村上 秀明

各行事とも、参加費300円(保険料含む)お願いします。
ただし、10月の白山ろく見て歩きは数千円(参加人数による)になる見込みです。