
大塚好美
目次
事務局長からの手紙
自然保護団体紹介(その8)熊森協会 石川支部
白山高山帯・亜高山帯での事業が植物に及ぼす影響とは? 調査報告
ちょっと一休み「雪椿」
白山を巡る沢旅(その17)~本峰周辺の沢・褐色の中の川 その2 地獄谷と仙人谷~
環境について考える(13)バイオマスエネルギーについて考えてみませんか
事務局短信
新入会員
カンパありがとう
でかけてみませんか
編集後記
事務局長からの手紙 加藤 正現(事務局長)
会員の皆さん、新年おめでとうございます。平素は、当会の諸活動にご協力を賜り、まことにありがとうございます。
(1)白山トンネル問題
さっそくですが、昨年の活動を振り返りながら、今年を展望してみたいと思います。まず、白山トンネルのことですが、10月17日(火)に3名で東京の国交省と環境省に反対要請を行いました。計画そのものに大きな進展はないと判断しましたが、経済情勢も好転している折から、油断してはならないと思います。今後は地元への地道な働きかけが必要になってくると考えています。また、岐阜県側の反対グループとも連携していきたいとも考えています。県と国への情報公開請求も毎年行っております。ただ、非公開部分が多かったことから、年末には県に対し意見書を提出しました。
(2)チブリ尾根登山道維持管理作業
次に、4年目を迎えたチブリ尾根登山道維持管理作業の件です。6月から10月にわたって月一、二度の割合で巡検及び草刈りを行いましたが、草刈りは、本当に大変な作業です。しかし残念ながら、協力者が少ないのが現状です。今年は、草刈りについては広く会員の皆さんから募集をしたいと考えています。皆さんのご協力をお願いしたいと思います。
(3)会報及びホームページ
昨年も、4回の会報を発行しました。第1面には会員の方による季節の絵手紙を掲載しました。シリーズものもあり、写真も豊富だったと思います。今年は、会員の方からも原稿をお願いしたいと思っています。会報は私たちと皆さんを結びつける非常に大切な手段と考えています。どうぞご意見をお寄せください。なお、当会のホームページでもご覧いただけます。ホームページについては、白山に関する情報交流の場になればと思っています。リンク先も増やし、使いやすいものにしていきたいと思います。まだご覧になっていない方は、ぜひ一度覗いてみてください。
(4)各行事
今年も、季節ごとに各種行事を予定しています。皆さんの中で、当会の行事にまだ参加されたことのない方も結構いらっしゃるかもしれません。一度参加してみられませんか。また、各行事を通して新入会員を積極的に獲得していきたいと思います。
(5)会員数の動向
昨今、会員数は残念ながら減少傾向にあります。様々な事情が考えられますが、会員の減少は会活動の停滞につながります。それはひいては、白山の自然保護活動にも影響を与えることになります。各部会を活性化し、新たな人材の発掘、育成に力を入れていきたいと思います。
(6)会設立20周年
当会は来る2010年3月に会設立満20周年を迎えます。私たちは、3年後を見据えて何かかたちあるものを残したいと考えています。どのようなことに取り組めばいいのか、皆さんからもご意見を頂きたいと考えています。運営委員のなかでは、これまでの歩みを検証してみようとの意見も出ています。具体的に、一歩踏み出してみたいと思います。
最後になりますが、今年は4月に統一地方選、7月に参議院選挙が行われます。私自身は、自然保護に関心を持ち、熱心に活動して頂ける候補を見定め、選んでいきたいと思っています。
どうか今年も当会の活動を、内から外から温かく見守って頂きますように。 (2007年1月7日)
自然保護団体紹介(その8)熊森協会 石川支部
三井 明美(会員)

平成16年秋、クマが大量出没して毎日のように殺されていると知り、私は改めて石川県に、こんなに沢山のクマがいたことを驚くとともに、今まで山の中でひっそりと暮らしていたクマたちが、こんなに次々と出てきてしまうなんて、いったい石川の山は、どうなってしまったんだろうと不思議に思いました。また、エサが無くて出てくるクマをほとんど捕まえて殺してしまうことにも疑問を感じました。
平成16年度は、獣道どころかクマの足跡さえわからず必死にドングリを山に運んでいました。お腹を空かせたクマたちにドングリを届けたいという思いで足を踏み入れた熊森協会の活動でした。平成17年はブナが大豊作だったので運びませんでしたが、平成18年の山の実りの不作年に、どんぐりを運ぶため我々が何度も山に入って目にしたのは、奥の奥まで作られた林道や沢山の採石場、スキー場、ゴルフ場、そしてミズナラもコナラも全く実をつけていない山の姿でした。運ぶ先々でナラなどの木の周りを探すのですが、一粒も見つけられませんでした。医王山の周りのクヌギやアベマキは多少落ちていましたが・・本当に少しでした。見た目は紅葉美しい山々でしたが、クマたち動物が食べるエサは無いということが、とても悲しかったです。クマの目線でドングリの置き場を探し、金沢、鶴来、能美、小松と各地に約40数ヶ所ドングリを運んで感じたことは、10~11月、12月と、クマの生息場所にふさわしいと思えるような奥山には彼らのエサは少なく、彼らの痕跡が多かった里山のカキの木の周辺では、民家の裏のヤブや茂みなどで彼らがひっそりと息を潜めて隠れていたようすが見て取れました。クマたちが本当に仕方なく、エサを求めて人里にまで来たのだということが良く分かりました。
特に彼らにとってダメージが大きかったと予想されるカシノナガキクイムシによるナラ枯れも地球温暖化の影響が大きいということを知り、自分たちの生活には直接関係無いと思っていた山の荒廃が、実は自分たち国民一人一人の生活によってもたらされていることに胸を痛めました。人間も自然の一部であり、自然は微妙なバランスで保たれている以上どこかでその繋がりを切るような行為、つまり、自分の都合や利益ばかりを重んじ、邪魔なものは排除するという考えがもたらす皺寄せは、また別の問題となって自分たちの生活に降りかかってくることを知りました。本気で自然の森や野生動物を守っていくには、温暖化防止を抜きにしては考えられず、これは誰かがやっているから大丈夫ということではなく、国民みんなで協力する必要があります。今までは他人事であった自然保護でしたが、クマたちが命をかけて教えてくれたおかげで私のような主婦も、その重要性に気づくことができました。今後、子どもからお年寄りまで一人でも多くの県民に自然保護の思いを伝え、それぞれができることを見つけていくことがとても大事だと思っています。
白山高山帯・亜高山帯での事業が植物に及ぼす影響とは? 調査報告
清水孝彰(運営委員)
(前号より続く)
(3)水平道の木道設置状況と植生との関係調査
登山道幅員・修景工等の状況と、植生・地形との関係を把握する調査として、今年は水平道の南龍ヶ馬場近くに設置された2ヶ所の木道部を対象としました(写真)。この木道は斜面に直交する方向で、白山の中でも特に雪の多い場所に設置されているため、積雪や融雪水の動きを変化させ、木道の下側斜面の植生に影響を与える可能性が考えられます。しかも2ヶ所のうち、南龍ヶ馬場寄りの雪田部に設置された木道は、道の上ではなく、道を迂回して植生をつぶして設置されていました。
この2ヶ所は、2003年の登山道と環境との関係を把握する調査で、それぞれ夏緑低木部、雪田部の代表点として、幅員と標高・傾斜・方位を計測した地点と、偶然にも一致しました。夏緑低木部の幅員は03年には137cmでしたが、今年の木道設置後は210cm、雪田部の幅員は03年には560cmでしたが、今年の木道設置後は630cmと、共に大きく拡幅しました。雪田部は設置前から幅員が広かったため、拡幅させることなしに木道が設置できたはずです。
今年は工事直後のため、まだ周囲への影響は出ていません。そこで現時点での、木道・裸地の形状計測と、植生のデータ取得を行い、今後比較するための材料を揃えました。今後数年間、どのような影響が出るかを継続調査する予定です。

水平道の木道 夏緑低木部

水平道の木道 雪田部
ちょっと一休み「雪椿」
三坂 岳応(会員)

寒さの中、暖冬とは言え、猫のようにコタツで丸くなっている人はいませんか?雪の中でこそ感じられる命の息づかいもあります。野山に出て遊びましょう!
冬の北陸は、雪の無い地域の人々の先入観に反して、高山を除けばさほど寒くはありません。しかし温帯では珍しい積雪の多い地帯です。ですから低温よりむしろ多量の積雪が生物の生存を限定する大きな要素になっていると考えられます。何らかの方法でそれに耐えられたものだけがこの地に定着しているのでしょう。
寒風や積雪によってダメージを受けやすいのは柔らかな葉ですから、一般に冬も緑の葉を茂らせておくのは不利です。草の多くは地上部を枯らし、凍結しにくい地中の茎・根や種子などの形で、樹木の多くは葉を落として越冬します。暖かい対馬海流の影響を受け積雪も少ない海岸部では暖地性の常緑広葉樹林が分布するのに、少し山手に入るとそれらに代わって落葉広葉樹林になるのはそのためです。
雪は確かに冷たいもので、耐寒性の低い植物は雪に触れるだけで枯れてしまいますが、一方積雪層は中に多くの空気を含むので意外に断熱性もあります。冬山で雪洞を使った人ならわかる事ですが、外気温がマイナス10度~20度で強風が吹いていても、うまく作った雪洞のなかは0度より下がることはありません。
雪国の植物の中には、本来暖地性の種が少し性質を変え、この「雪布団」の断熱効果を利用して冬を越しているものも見られます。本来暖地性の常緑広葉樹であるヤブツバキ・ユズリハ・アオキは、このあたりでは海岸に近い平野部に自生し、少し山手に入ると見られません。それに対して、それぞれ前者の変種であるユキツバキ・エゾユズリハ・ヒメアオキは、山手のミズナラやブナなどの落葉広葉樹林の林床に自生しています。
いずれも、「本家」より丈は低く、直立せず、幹や茎はしなやかで、当然冬は積雪の下で眠っていて姿は見えませんが、雪解けと共に雪の下から起き上がり、艶やかな濃い緑の葉を春の陽光にきらめかせて生命活動を再開します。
代表的なユキツバキは、会員の皆さんなら見慣れたものですが、見た事がないと名前のイメージから「雪の中で咲く椿」だとか「雪のように白い椿」だと誤解している人もいるようです。言うまでもなく、ユキツバキは冬前は蕾が固く雪解け後に開花して、花色は鮮やかな赤。種子(母種より大きい)でも繁殖するほか、ハイマツのように横に伸びた幹が地に付いた部分から根を出して成長する、母種には無い特技も持っています。
いろいろな生き方があるものですが、生物の中で人間だけが環境条件を無視して画一化した生き方を選択しつつあるようで、これでも賢い動物と言えるのでしょうか?
白山を巡る沢旅(その17)
~本峰周辺の沢・褐色の中の川 その2 地獄谷と仙人谷~
鮎川 正(会員)
一晩中轟々と響き渡る大鼾、いや沢音に身をすくませながら朝を迎えた。増水したら一発で三途の川を渡りそうな場所だったが、今宵地獄谷の閻魔さまも機嫌がよかったらしい。早朝朝靄の中こわばった体をほぐして立ち塞がる12m滝へ。右岸ルンゼよりスラブ帯、更に悪い草つきにロープ3ピッチ伸ばす。ようやくブッシュの茂る小尾根に出てそこから懸垂実に4ピッチ。ようやく沢床に戻った。最後は支点になる潅木がなく、泣く泣くハーケンを2本打つ。30mロープというのは実に降り具合の悪い長さだと実感する。ところが続くトイ状の8m滝も被っていて登れない。やむなく右岸草つきからまたも高巻き。3ピッチでブッシュ帯に出て少し下って沢床を見ると、CSの詰まった連瀑。直登はきつそうなので、まとめて巻くべく更に悪い草付を2ピッチ登って、ブッシュ帯をトラバース。適当なところから懸垂2Pを交えてガレたルンゼに下り、沢床へ戻る。ここからしばらく開けた谷の雪渓歩きとなり、一息ついた。
盛夏だがここは地獄の一丁目、ぎっしりと雪が谷を埋め冷気を送り続ける。谷が屈曲すると右岸に火の御子峰の崩壊壁が広がる。見上げる赤茶けた崩壊壁は閻魔さまの謁見所かと見まがうばかりに落石を落とし続ける。相棒とお互いの所業をあげつらい只ひたすら歩を早める。罪状次第では、いや天候次第では地獄の石攻めに遭いそうだ。とはいえ核心を終えた谷は単純な河原と雪渓を繰り返し、淡々とした遡行が続く。二俣で右に取り、更に奥の二俣で右に取ると、ようやく澄んだ水に変わる。しかし、それも源頭部はガレ谷で折角の清水もすぐに絶えるのであった。若干ルートファインドに注意しつつ、予定通り岩間尾根2350mのコルに出る。褐色の谷はこうして終わった。中の川地獄谷は白山を代表する谷と前評判は高いのだが、あの水質については過去の記録では何も触れられていないので、ひょっとすると源頭崩壊による近年の事態かとも想像する。
さて、小休止の後反対側の這松を少し漕いで、丸石谷に入る。地獄谷とは対照的に源頭は草原に澄んだ水の小さな池唐が点在する、日本庭園のようなところで、ほっとする。たいした滝もなくどんどん下って適当な河原でツエルトを張る。旨い水に勝るものはなし、と実感した星空であった。翌日、ビバーク地より小ゴルジュを抜け、釜の連続する沢床の先に水流の迸る空間が断然した地点に飛び出す。かの有名な百四丈の滝(約84m)の落口だ。落口は幅50cmほどの岩棚となっており、そこに立って下を見ると思わず身震いしてしまう。相棒は落口よりしっかり放尿していた。これをするためにここに来たという彼は、「見よ、石川県人~」と高笑い。品行方正な私目は初放水の栄冠を相棒に譲り、その後姿をカメラに収め、高巻き下りに入る。少し戻り左岸の笹薮を漕いで尾根を横断。支沢を下って滝下に出る。今度は滝下に行くも、凄い爆風。ただ釜が浅いのには意外な感がした。長い流水の落下のうちに飛沫状になり深い釜が形成されないのだろう。ゴルジュ状の河原を更に下ると黒滝の落ち口。ロープ1本では当然下には届かず、右岸の薮尾根を大きく登り、支尾根を下る高巻き。あとは怒涛の河原下り。最後にだだっ広い河原に堰堤が現れて、褐色と清色との鮮やかなコントラストの沢旅に終わりを告げた。
さて地獄谷遡行から4年後の夏、同じ中の川の本流である隣の仙人谷を目指した。その水の濁りぐあいに閉口した身には中の川はとても興味のそそるものではなかったものの、地獄とは好対照な仙人という谷名には惹かれるものがある。また温泉が湧いているという話もあり再び中の川に足を運んだ。今回水量は意外にも少なめ。しかし、中の川の屈曲廊下には今年も残雪がごっそり残っている。S字滝の左岸の壁に相棒がロープを伸ばす間、サラサラ崩の壁の左ルンゼ取り付きをじっくり偵察。取り付きは巨大チョックストーンが詰まったチムニー滝だが、左壁の凹角から抜けられそうだ。中の川の側壁は白山系でも指折りの岩壁。いずれ再訪する機会があるだろう。廊下を抜け河原を飛ばし二俣着。以前地獄谷を遡行したときの白濁した水はやはり今回も同様である。しかし仙人谷のほうがまだましか。
名は体を表す。地獄谷のような険悪な廊下もなく淡々としたゴーロが続く仙人谷。これほど穏やかだと返って退屈してしまう。唯一ロープを出したのは、狭いゴルジュの中の二段滝のみ。ただここだけがえらい難しく、相棒はしっかりロープにぶら下がっていた。上段のトイ状滝は確かに仙人流の?リーチがないと厳しい。ここを抜けると又ゴーロ。途中で何度か温泉が湧き出している箇所に出くわすが、澱んでいたり浅かったりで風呂を浴びるにはほど遠い。温泉好きの相棒氏、体には自信満々のS女史はちょっと残念そうだ。結局風呂場がないまま源流近くでタープを張る。翌日も淡々と稜線へ。最後のルートファインドにはまり薮こぎかと思いきや、野いちごの群生地にぶち当たり、ヤブ漕ぎの労を癒してくれる。むさぼりながら稜線に出ればガスの切れ間に雄大な大汝。人気のない北縦走路にはやはり野いちごがてんこもり。野いちごを両手にS女史の、乙女には到底出来ぬスーパーギャグに笑い、だらだらと暑い夏の日差しを受けながら、ちっとも楽ではない楽々新道をひた走るのであった。
険悪な廊下を持つ地獄谷と穏やかな仙人谷。好対照な中の川の両渓だが積雪期にはまた違った貌を見せる。次回は積雪期に地獄谷から仙人谷を周遊するスキーツアーを紹介したい。
環境について考える(13)
バイオマスエネルギーについて考えてみませんか
三津野 真澄(会員)
バイオマスとは生物資源という意味です。植物(森林や農作物など)、植物を餌とする動物とその糞、食糧や廃棄物などの総称ですが、具体的には木材、稲わら、サトウキビの搾りかす、天ぷら廃油など多岐にわたります。このバイオマスから作られるバイオマスエネルギーに今、熱い注目が集まっているのです。
注目の理由は何でしょうか。
まず、バイオマスエネルギーは再生可能であり恒久的であるという点があげられます。植物は太陽光により光合成を行いエネルギーを生産しているので、太陽が輝き続ける限り枯渇することはありません。たとえ森林は伐採されても数十年後には再生されるので、私達は恒久的にバイオマスを利用することができます。
二番目として、バイオマスエネルギーを利用しても地球温暖化を進めないという点があげられます。石油・石炭などの化石燃料を使用すると、温暖化の主因である二酸化炭素が排出されてしまいます。バイオマス燃料を燃焼させると確かに二酸化炭素は排出されますが、これはバイオマスの生育時に光合成によって大気中の二酸化炭素から固定された炭素が元であり、単にそれを大気に戻しただけ。つまり『ゼロエミッション』(排出無し)なのです。
他にもバイオマスエネルギーの特徴として全世界が必要とする量をまかなえる可能性があり、経済性も年々向上している点も見逃せません。
EU諸国では、化石燃料に対して含まれている炭素量に応じて税金をかけ、その消費を抑制しようという環境税が導入されています。しかし二酸化炭素を増やさないバイオマス燃料には課税されていないことから、普及が進んでいます。例えばスウェーデンでは重油に対して二酸化炭素税、硫黄税(硫黄は酸性雨の原因物質のひとつ)、エネルギー税などが課税されるため、価格はバイオマス燃料の約2倍となっています。その結果、スウェーデンでは全エネルギーの20%がバイオマスにより供給されるようになりました。
ところで日本人が古来より利用してきた炭は優秀なバイオマス燃料のひとつです。しかし残念ながら私たちは炭をほとんど使わないようになってしまいました。その結果、里山は荒廃の一途です。
さて話はかわりますが、9月のある日のこと。私の元へ一本の電話が入りました。加賀市で進行中の国道八号線の拡幅工事にともない大量の雑木林が伐採されているが、それが「産業廃棄物」として焼却処分されているとのこと。電話の主は続けました。「余りにもったいないので、この木で炭を焼きませんか?」即決、了解です。
そして10月20日の午後、生徒たちと現場へ。すでに工事業者の方は伐採樹木を現場に並べてありました。生徒たちはノコギリを使って炭焼き用のサイズに切っていきます。そしてトラックで加賀市中央公園にある炭焼き窯に運び、窯の前に積み上げました。次に登場したのは、炭焼き名人とNPO「石川フォレストサポーター会」のメンバー方々。木を窯のサイズに合わせて切り窯の内部にきっちりと並べ入れます。そして「山の神様」への塩とお酒もお供えしての火入れ式。最初は窯の温度を上げるためどんどん薪を入れていきます。全体に炎が回ったところで窯の入り口を塞いで蒸し焼きのプロセスに。この過程で木酢液が取れました。最終的に全体が炭になるまでに10日余り。
取り出された炭は黒く輝ききれいでした。いま大聖寺高校の図書館書庫で湿気とりとして使われ、来年の学校祭の模擬店でプロパンガスの替わりに活用される予定です。これで大聖寺高校から排出される二酸化炭素の削減にもちょっぴり貢献しそうです。

国道8号線拡幅工事現場の様子。せっかくの森林資源が産業廃棄物として捨てられている。

大聖寺高校の生徒が薪炭材用にノコギリで短く切っていく。

炭焼き窯まで材木を流れ作業で運び込んだ。

いよいよ炭焼き窯に火が入った。

出来上がった炭。黒く輝いてきれい。
事務局短信
10月22日(日) チブリ尾根巡検(5名)
11月 5日(日) 自然観察会・甲山(15名)
10日(金) 運営会議(11名)会報発送作業
15日(水) 岩屋俣谷のコモチカツラの件で森林管理署と話し合い(3名)
12月 8日(金) 運営会議(8名)
12日(火) 事務局会議(4名)
15日(金) 忘年会(6名)
28日(木) 県に白山トンネル情報公開に対する意見書を提出
1月12日(金) 運営会議(12名)
砂防堰堤学習会・講師:国交省
26日(金) 会計監査(4名)
29日(月) チブリ反省会
新入会員
山本尚美
渡部治
カンパありがとう
崎田律子
家智彦
中野厚子
小沢広和
石井義夫
大濃純子
山田娑異
山禄晃
荒井重紀
新谷貴子
井上道博
窪田美代子
岩田隆光
小谷口隆・睦子
尾崎健二
加藤京子
泉元美紀
今井育美
浅野紀子
戸水小夜子
車康子
池本節子
中村和子
長堀晴雄
高山アキ子
喜多宗喜
上尾友美恵
中村美智子
久保壽子
古田彰
出村千恵子
長野幸二
吉田外儀・邦子
匿名希望3名
でかけてみませんか
■第18回総会
2006年3月11日(日)13:30~17:00
石川県生涯学習センター
金沢市広坂2-1-1 広坂庁舎1号館
(旧県庁舎新館)
記念講演 「白山の昆虫について」
講師 富樫一次 氏 (前石川県ふれあい昆虫館館長)
■生物部会 カンジキハイキング 医王山 桔梗ガ原
2月18日(日)
集合:見上峠 8時
■雑木林春の詩 パート18 旧河内村 舘裏山
4月15日(日)
集合:道の駅 鶴来 しらやまさん 8時
私の声 みんなの声 いつもご苦労様です。 吉田外儀・邦子
去年は息子と2人で北岳に行ってきました。いい思い出になりました。
岩田美穂子
山の方に住んでいるからか、熊の存在を感じますが、まだ目撃していません。こんなふうに昼と夜、すみ分けてくれればいいんですが。
山田娑異
昨年から高齢者の負担が多い政治行政です。
藤井肇
いつもありがとうございます。
三津野真澄
いつもお世話様です。名ばかりの会員ですが、環境問題と自然保護には関心を寄せているので、又よろしく。
戸水小夜子
編集後記
雪が降って喜ぶのが子ども、疎ましいのが大人。でも、これだけ降らないとさすがに色々と心配。何か、不気味な足音が聞こえるのは私だけではないのでは。本号が皆さんの手元に届くころ、少しくらいの積雪を期待して。(F)