
作者 : 大塚好美
目次
- 医王山生物部会に参加して
- 事務局長からの手紙
- 団体会員紹介(その4) NPO法人 立山自然保護ネットワーク(旧.立山連峰の自然を守る会)
- 国道416号県境部工事計画見直しを求める
- おにぐるみ
- 高山帯・亜高山帯で行われる事業は植物にどこまで影響を及ぼすか~白山南斜面における植物への影響調査報告~その2
- 白山を巡る沢旅(その14)~我が家の里川・犀川源流紀行その1 海から倉谷川魚止め滝まで~
- 「環境について考える」ソウルの大英断【清流を取り戻そう】
- 当会の活動を紹介した本が発売されました
- 私の声 みんなの声
- 事務局短信
- カンパありがとう
- でかけてみませんか
- 編集後記
医王山生物部会に参加して
泉元美紀
「11月6日医王山に行きませんか?」とのお誘いに、何の迷いもなく「ハイ。」と答えた私。いよいよ当日、能登の自宅を朝6時に出発、しかし医王山の生き方すらも知らない私。どんな一日が待っているのかとハラハラドキドキでの皆様とのご対面でした。
準備も整い一列に並んで里山への第一歩。天候はあいにくの曇り空。私は空を仰ぐ余裕もなく皆さんの背中を見つめ、地を踏みしめての里山歩きが始まりました。しばらく登ると綺麗に色づく木々、何度も何度も後ろを振り返りながら秋の光景に目を奪われました。ブナの実もたわわに実り、時折のぞく青空をバックにナナカマドは鮮烈な赤い実を付けていました。
又、風が吹くと紅葉は木から舞い降り、落ち葉は私の足元でダンスを踊ってくれました。里山では風は悠々と季節を運んでいるようです。風までが里山のご馳走です。
ちょうどお昼にさしかかる頃、大沼に到着。初めて見るとんび岩にも大感激です。こんな景色がこんな所にあるなんて不思議な気持ちで一杯です。まるで時間がタイムスリップしたように感じました。
歩きながらいろいろなお話も聞かせて頂きました。木の事、葉っぱの事、熊の事、今まで知らない大切な自然のお話でした。
途中、カモシカの足跡やイノシシの鼻の跡、キツネが住んでいたと思われる洞窟に遭遇。見るもの見るもの不思議な物ばかり。しっかり目に焼きつけ感動です。
雨にも降られ風にも吹かれの一日でした。しかし雨も風も私には心地よく、私にとって「始めまして里山さんこれからも宜しく里山さん」な気持ちで、もっともっと歩きたい、もっともっと自然を知りたい自分発見の貴重な一日でした。
白山の自然を考える会様
先日は大変お世話になり有難うございました。私にとって今年一年の中で最も充実した一日となりました。何日も体の中に山の余韻が残り、何人もの方に自然のすばらしさをお伝えしました。これからも機会があればぜひ酸化させて頂きたいと思っております。

事務局長からの手紙
事務局長 加藤 正現
会員の皆さん、新年おめでとうございます。平素は、当会の諸活動にご協力を賜りまことにありがとうございます。
さっそくですが、当面するいくつかの諸問題について触れてみたいと思います。まず、白山トンネルのことですが、一昨年の反対署名運動のような大きな活動こそありませんでしたが、8月25日に東京の国交省本省に反対要請を行いました。計画そのものに大きな進展はありませんが、今後は地元への地道な働きかけが必要になってくると考えています。また、小松市長、白山市長にお会いし反対の要請を行い、一定の理解を得ることが出来ました。県と国への情報公開請求も毎年行っております。
次に、3年目を迎えたチブリ尾根登山道維持管理作業の件です。5月から10月にわたって月一度の割合で巡検及び草刈りを行いましたが、草刈りは、本当に大変な作業です。しかしこの草刈りを通して、チブリ尾根への愛着がより一層強まるのです。今年は、草刈りについては広く会員の皆さんから募集をしたいと考えています。皆さんのご協力をお願いしたいと思います。なお、市ノ瀬から猿壁堰堤の登山口まで車道と歩道を分離することとなり、当会のほうで新歩道のルートの策定や枝の抜開作業などを行いました。今年秋には供用が開始されると思います。ご利用ください。
皆さんは、小松市新保と福井県勝山市横倉とを結ぶ国道416号開通計画があるのをご存じですか。しかしこの道路が開設されても冬期は雪のため閉鎖され、夏期も利用台数は極めて少ないことが予想されます。一方現地にはクマタカの営巣地もあり、道路建設によって豊かな生態系が分断される恐れがあります。当会としては、この計画に反対の立場で先ずは石川・福井両県に情報公開の請求を行いました。今年は、両県知事への反対要請書の提出、現地調査などを行う予定です。私たちの活動へのご理解をお願い致します。
さて、昨年も4回の会報を発行しました。1面と最終面のカラー化を図り、シリーズものなどを取り入れてみました。いかがだったでしょうか。会報は私たちと皆さんを結びつける非常に大切な手段と考えています。どうぞご意見をお寄せください。なお、当会のホームページでもご覧いただけます。まだの方は、ぜひ一度覗いてみてください。
また、今年も各種行事を予定しています。皆さんの中で、当会の行事にまだ参加されたことのない方も結構いらっしゃるかもしれません。一度参加してみられませんか。
なお、当会は来る2010年3月に会設立満20周年を迎えます。私たちは、4年後を見据えて記念事業及び記念誌の発行を考えています。さしあたり今年は実行委員会立ち上げの準備に入りたいと考えています。そこで記念事業としてどんなことをすればいいのか検討していきたいのですが、皆さんからもご意見を頂きたいと考えています。メールでもはがきでもFAXでも構いません。ご意見頂ければ幸いです。
最後になりますが、どうか今年も当会の活動を温かく見守って頂きますように。
団体会員紹介(その4) NPO法人 立山自然保護ネットワーク(旧.立山連峰の自然を守る会)
横畑泰志(NPO法人 立山自然保護ネットワーク副理事長)
1971年、立山アルペンルートの開通に当たって展開されたマイカーの乗り入れ禁止を求める署名運動を契機に当会が結成されてから、もう三十五年になろうとしています。その間、立山連峰を中心に富山県下の様々な自然保護問題に取り組んで来ました。二年前から一昨年にかけて、任意団体からNPO法人に衣替えしたことにともない、会の名称を変更しましたが、本質的には何も変わることなく、自然保護活動に励んでいます。
英語では、TATEYAMA ASSOCIATION FOR NATURE CONSERVATION、略称TANC(タンク)と称していて、まさに戦車(TANK)のごとく邁進したいところです。
主な活動には、季節ごとに富山県下各地で開催している自然観察会や自然保護講座、立山アルペンルート沿線でのブナなどの樹木活力度調査、生物定点調査、立山室堂でのライチョウ生息状況調査(他団体との共催)などがあります。特に樹木の活力度調査は一九八五年以来のデータが積み重ねられており、ルート沿線の樹木の衰退の状況を示すとともに、その原因を推察するための貴重な情報源になっています。
最近力を入れている活動には、緑の地球防衛基金の援助による、立山アルペンルート沿線での外来植物除去作業があります。昨年は、三箇所でオオバコ一万八千本、ヨモギ二千二百本などの外来雑草をすべて手で引き抜き、除去しました(左の写真)。また、かつてアルペンルート敷設工事跡地の緑化復元のために一時的に導入されたオノエヤナギの伐採と、その後の萌芽更新の抑制の方法の実験的な検討を現地で進めています。
私達のような活動が三十年以上も続いてきたのは、多くの方のご協力とともに、立山連峰の自然の魅力の故に他なりませんが、その魅力のために立山の自然が年々様々な形で蝕まれているのも事実です。今後も新しい仲間を増やして、活動を前向きに進めてゆきたいと思っています。
会費は年間三千円(賛助会員は二千円)、入会方法などはホームページをご覧ください。
事務局連絡先
〒939-8085 富山市中野新町1-1-11
財団博仁会 TEL&FAX 076 (421) 2764
ホームページ:http://www4.ocn.ne.jp/~mamoru/
国道416号県境部工事計画見直しを求める
栗山宏人(白山トンネル特別部会)
交通不能でいい
白山トンネルを計画している国道360号と国道416号とは似た性質を持っている。県境にいわゆる「交通不能区間」を有する点である。416号は小松市から大日山の峠を超え勝山市を経て福井市に至る道路である。
現在は小松市新保と勝山市横倉間4.6kmが交通不能区間とされている。
会員の荒木さんが石川県立図書館へ赴き写しを取ってきてくれた地図がある。相当古いものだ、新保から横倉、中野俣へと人道が延びている、新又越・大日峠・木地山峠の三本である。近年の地図には他の多くの廃れた人道と同様に載っていない。
中野俣集落さえ消えている、この地域は人間の生活圏としての使命を終え、自然に帰される過程にあるのであろう。そこはイヌワシやツキノワグマ等が生息する重要な森林生態系に属し、大切な水源林であり、将来に伝えるべき貴重な遺産である。
当会の情報公開請求により、石川県、福井県は平成11年度より車道の調査・設計を着々と進めていたことが判明した。峠越えの冬季閉鎖、速度20km/h、1.5車線タイプのローカルルールに沿った設計である。小松から勝山に抜ける場合、山中経由や白峰経由と時間的な差はほとんどない、無駄な道路がまた一本増えるだけである。
道路が生物多様性を破壊
計画地の北側は勝山市有林、南側は国有林である。国から予算を引き出す工作であろうか、福井では平成9年から11年にかけて作業道を建設、石川県は災害で20年余落ちたままの平谷橋、大日川橋、弁天橋を平成10年度から16年度に順次再建した。両県の調査報告書によれば、道路予定地近辺に絶滅危惧種の猛禽クマタカ3~4ペアが生息していることが明らかである。実際は、クマタカの営巣があろうが8月~11月に限定し騒音防止対策を採れば橋の工事はゴーである。
福井県の担当者に確認したところ、道路が建設されれば春の雪解け後はクマタカの営巣に関係なく閉鎖を解くであろうとのことだ。「円滑な事業促進を図ることを目的に」環境調査する立場の限界である。
地域間の交流が建設目的とされているが、利用者は限られている春の山菜採り、新緑探訪、夏の緑陰を求め、秋のキノコや紅葉狩りが、ひっそりと山野草を盗み取る者やゴミを投棄する者が思い浮かぶ程度である。その上、この道路が周辺の森に影響を及ぼしブナが枯れ、クマタカが消え生物多様性が損なわれるおそれが生じる。
車道でなく人道復活を
当会では、福井石川両県知事に道路建設見直し申入れすることを決定した。その趣旨は人が歩き交流する国道、古の人々が峠道として連綿と使い、戦後しばらくまで新保丸山地区と勝山地区の人々が行き交った人道を復活することである。自動車で通過するよりも、人と自然とが交流できる豊な空間として高い価値を未来に発揮するであろう。
おにぐるみ
冬です。落葉樹の林は雪が積もると一気に明るくなり、藪が埋まってどこでも歩けるので自然の中で遊ぶ良い機会です。反面、枯木同然の木の名前を知るのは難しそうですね。手がかりは樹形・樹皮・冬芽・葉痕などです。

オニグルミの実(殻)

オニグルミの葉痕と冬芽
写真の特徴ある葉痕はオニグルミですが、何かの顔に見えませんか?金沢名産「くるみの佃煮(甘露煮)」に使われるのはこれ(子葉になる部分)です。田楽や五平餅に塗る木の芽味噌に摺り混ぜると格段に風味が増します。
脂肪分が豊富で、人間だけでなく多くの動物にとってご馳走なのですが、硬い殻から中身を取り出すのは容易な作業ではありません。それが可能な動物は丈夫な歯を持つリスとアカネズミぐらいです。ただ最近ではカラスの中に、どこから思いついたか、道路に置いて車にひかせて割るという知恵をつけた者もいるようです。
リスやアカネズミは冬に備えてあちこちに保存する性質を持つので、その内の忘れ去られた一部がクルミの分布を広げてくれる一つの仕組みです。もう一つは川の流れに運ばれる方法で、川に沿って下流域にも分布するのはそのためです。
近年「クルミの佃煮」にも、殻を手で割れる西洋種のクルミを使う所も出てきましたが、これだけはオニグルミを使って欲しいと願わずにはいられません。もっとも、山里のお婆さんが手作業で割っている現状を思うと、遠からずそんな作業をできる人がいなくなり、願いが叶わぬ日が来るかもしれません。
高山帯・亜高山帯で行われる事業は植物にどこまで影響を及ぼすか~白山南斜面における植物への影響調査報告~その2
清水孝彰(当会会員)
2.調査結果
②光ケーブル事業影響評価
砂防新道への光ケーブル埋設工事は、標高1880m地点-黒ボコ岩間は03年夏~秋に、黒ボコ岩‐弥陀ヶ原間は04年夏~秋にかけて実施されました。標高1880m地点‐黒ボコ岩間では、10地点で登山道の幅員を毎年計測し、周辺植生との関係を見ています。03年夏、03年秋、04年夏、05年夏の登山道拡幅の推移は図1の通りです。03年夏→03年秋は大半の地点で拡幅し、03年秋以降は拡幅した地点は少ないことから、今のところは掘削による直接影響の方が、積雪・融雪等の間接影響よりも大きく表れています。

図1 主要地点の登山道拡幅の推移
03年秋以降の拡幅が大きかった地点は、図1のNo6(04年夏までの拡幅幅が61cm)及びNo8(2年で元の2.6倍に拡幅)で、いずれも登山道に岩が露出する急斜面で、削岩機等で掘削した地点であり、砕かれた土石が冬期積雪の影響で下方に動いたと考えられます。
なお、No4と5の間で05年8月に、No5と6の間で04年6月に崩落が確認され、No4と5の間の崩落地点ではケーブルが空中に現れました(写真1参照)。崩落の起こった時期から、前者は降雨、後者は雪崩が原因と考えられます。崩落地点の植生はいずれも高茎草原であり、高茎草原が不安定な斜面に発達する植生であることを裏付けています。

写真1 No4と5の間の崩落地点2005年8月
一方、黒ボコ岩-弥陀ヶ原間については、施工前から国土交通省と合同調査を実施し、当会としてケーブル敷設ルートの変更案を提案してきた経緯もあり、植生の破壊や登山道の拡幅なしにケーブルを敷設できています。
白山を巡る沢旅(その14)~我が家の里川・犀川源流紀行その1 海から倉谷川魚止め滝まで~
鮎川正(当会会員)
『秘境の山旅』などの著者で頚城の海谷の岩場開拓などで知られる登山家の大内尚樹氏。人跡まれな地のパイオニアワークの実践者である氏は、同時に東京湾から多摩川の源流を辿る『多摩川源流紀行』を行っている。海から辿る沢旅は、巨大開発や護岸、林道、堰堤工事、ゴミ、暴走族、警察、釣り師等々とのトラブル、里山や田舎の抱える問題等を炙り出して面白い。
文明史的なパイオニアワークというと関野吉晴氏の『グレートジャーニー』が個人的な偉業として思い浮かぶが、大内氏の試みも「川」からの視点、秘境発掘の沢屋の発想という観点で十分関野氏に類する文化史的パイオニアワークではないかしらん。
さて大内氏に刺激されたわけではないけれども、海から辿る犀川源流紀行は長年温めてきた課題であった。もちろん大内氏ほどの大業ではなくちんけな地方の二級河川の沢旅に過ぎず、また、しがないしがらみのある勤め人には、大内氏のようにテントを担いでの長期の沢旅は不可能であるし、そうした根性、体力もない。結局、情けないが海から犀川源流の見越山まで幾度かに分割しての、下流部は自転車利用の沢旅と相成った。
1章 海から我が家まで
普正寺の森は野鳥の宝庫としてよく知られている。犀川右岸にあるサイクリングロードを双眼鏡片手に仕事帰りに何度か訪れたことがある。波の穏やかな夏のある日、日直仕事を午前に終えて自転車でまた通いなれた砂浜に立った。
ここはかつてはゴミだらけだった。子どもたちとゴミ拾いにきたことが懐かしい。あまりのゴミの多さに二度目は母親にも手伝ってもらったこともあった。
しかし今は護岸整備されてずいぶんきれいになっている。いいのか悪いのか?複雑な心境だが、まあいいとしよう。ペダルに足をかけ穏やかな海に別れを告げた。喧騒の健民プールを離れ、長い沢、いや川旅の始まりだ。
普正寺橋を渡りサイクリングロード行く。停泊中のヨットや船の周りにはカモメや鴨の群れ。アオサギやゴイサギも混じり毎度のことながら飽きない、犀川の自転車街道。左手に田んぼが広がり、市内の中心街の高層ビル群の背後に犀奥の山々も見え隠れ。
8号線をくぐると伏見川が合流。西部緑地公園までは子どもたちとも歩いて遠足に行った通いなれた道。この辺りもアスファルトのサイクリングロードを離れるとまだ雑草、雑木、野鳥などの自然が多い。もっとも下流域のこと。自然といってもゴミも多い。子どもらとこのあたりは毎年のゴミ拾いエリアだ。と同時に外来種のセイタカワダチソウを刈りまくって染物に使ったこともあった。
ゴミと同じくセイタカも空しくその勢力は拡大するばかりだが。工事中の御影大橋を上から越えて犀川神社からまた河原に降り立つ。新橋を抜け、この付近の犀川最狭部、犀川大橋下をくぐる。新橋、大橋の下に以前住んでいたホームレスの姿は今はない。そういえばお散歩で子どもらが寝ていたホームレスの人を僕だと思って「あゆど~ん!」と呼びに行った、という笑い話があるが、一体どこへ消えたのだろうか?
ゴミを拾いつつ、「これは取ったらあかんで」と子どもらに諌めていたが、そうした気遣いも不要になってしまった。いいのか悪いのか?海辺の護岸工事と同じような今の街の心象風景かもしれない・・・。
犀星碑の辺りは春の花見、夏の祭り、秋の美大芸術祭などで常に賑わっている。この辺りからアベックと共に鮎釣りの人たちも増えてくる。市民の憩いのエリアか。
桜橋付近は犀川の流れがこの下流域ではもっとも浅く、子どもたちと毎年児童館にプラネタリウム見学行きの際、何度か「渡渉」したことがある。うまくすると飛び石で足を濡らさずに「渡渉」できる唯一のポイントだし、鮎やハヤなどの川魚が真近で見えて川遊びに最適だと思われる。子どもたちは歓声をあげながら「渡渉」するのだが、親切よろしく、危ないぞ!と眉を吊り上げて怒るおじさんやおばさんも少なくない。
昔は犀川では子どもたちは川遊びを普通にしていた、という話をよく聞いた。鉄橋から汽車が来るのを見計らって川に飛び込む度胸試しも、当時の川遊びのひとつだった、と、職場の幼稚園の大OBから伺ったこともある。そんな古き良き時代は遠くに去り、整備された護岸の芝生で遊ぶのが関の山の「良識」ある子どもたち、大人たちだらけの犀川になりつつある。
さて下菊橋を過ぎ工事中の上菊橋の架設橋を渡り、加賀富士とうたわれる大門山をバックに児童館が見えてくると我が寓居がある。野鳥とワンワンカーニバルの如き犬たちの集う緑地公園の入口だ。
2章 我が家から犀川ダムまで
個人的な話で恐縮だが昨年、家を建てた。散々土地を探し求めたが、犀川縁を中心に的を絞り最後は寓居であった借家からわずかに上流にある緑地公園沿いで決めた。犀川から離れられなかったのも何かのご縁だろうが、自転車で職場に通いたいという強い思いが決定力になっている。
そして冬場はスキー通勤!という想いも。今冬の大雪はそんな職場へのスキー通いを実現させてくれた。車やバスでの数珠繋ぎの喧騒を尻目に、閑静な犀川河原の大雪原のスキー通勤はとても楽しい。東京のような大都会では絶対有り得ない通勤スタイルだろう。このスキー通勤はそのまま積雪期の犀川源流紀行へと繋がってただいま(1月現在)継続中だが、その積雪期編は稿を改めて触れることにしよう。時は、秋。犀川源流紀行、我が寓居からの続きである。
(以下、次号)
「環境について考える」ソウルの大英断【清流を取り戻そう】
三津野 真澄(当会会員)
韓国第一の都市ソウルの中心部を東西に流れる、清渓川(Cheong Gye Cheon チェンゲチョン川)。ここで最近行われた清流復元事業は、東アジア最大の環境修復プロジェクトであり、成功例として熱い注目を浴びている。気温マイナス15℃の12月、現地を訪問したレポートです。

ソウルの中心街を東西に流れる清渓川。遊歩道には散歩する人々が絶えない。
12月の半日、清渓川に沿って歩いてみた。川はソウルの中心広場近くの湧き水から始まる。滝や飛び石が配置され、夏には子供が川に入って遊べるようにデザインされている。また壁画や彫刻が飾られ10㎞の行程を散歩しても飽きないような仕掛けもある。川の上をまたぐ10余りの橋は鉄、ガラス、木などを用いて凝ったデザインである。
以前の清渓川は、その名称からは想像も出来ないような川であったらしい。第二次世界大戦、日本の植民地下であった頃は洗濯や水浴びの場であったが、戦後はゴミが捨てられドブ川化していった。やがて高度経済成長時代を向かえソウルの交通量は飛躍的に増加。1967年に川面はコンクリートで覆われた道路となり、その下で川は暗渠化され、更に上部には都市型高速道路も建設された。
しかしソウル市長選で清渓川の再生プロジェクトを公約した候補者が当選し、再生事業は開始される。まずは高速道路が撤去され、長さ10㎞に及ぶコンクリートの蓋が開けられた。ドブは浚渫され川の両側には遊歩道を作り、ところどころに噴水や滝、陶製パネル壁画などが配置される市民の憩いの場としての復元で、総事業費3867億ウォン(約456億円)の大事業は、2003年7月に着工され、05年10月に完成した。
夜間は噴水がライトアップされ、クリスマスシーズンにはイルミネーションも輝き、デートスポットとしても人気があるらしい。
遊歩道には清渓川ボランティアのスタッフが人々の安全を見守り、川と再生事業の解説をしていた。(マイナス10℃以下の寒さの中で!)さらに川の横にオープンした「清渓川文化館」では川の歴史や特徴、復元事業の全てについて知ることができ、環境教育の場としても活用されている。また高速道路の高架橋のうち三本は〝負の遺産〟として教材のために残されているのである。
一部の市民からは遊歩道が人工的だという批判もあるらしいが、植栽は10年後を考え計画的に行われており、時間と共に清渓川は自然の姿を取り戻していくだろう。
高速道路と覆蓋道路のダブル撤去により交通渋滞は避けられないばかりでなく、代替道路の建設は無し。しかし地下鉄網の整備と市民の理解に支えられて清渓川の再生が選択された。ボランティアスタッフの誇りある笑顔に、ソウルの大英断を感じたのである。

清渓川の歴史を示す壁画を説明するボランティアスタッフ。
当会の活動を紹介した本が発売されました
この度、新建新聞社より発刊された『?(ブナ)・楢・栗』という本に、当会がチブリ尾根で行っている登山道整備の紹介記事が掲載されました。B5判サイズ、136ページの立派な本で価格は1995円(税込み)。

この本は、「日本の原点・木の文化シリーズ」第5巻として発刊されたもの。「木の文化シリーズ」では、建設・建築の業界新聞社である同社が得意分野とする建材面から、木と人との関わりを考察してきました。シリーズ既刊には「杉」・「檜」・「松」・「欅」があります。5巻目の「?・楢・栗」では、より身近な広葉樹を扱うことで、建材面に加えて“環境問題”や“循環型社会”といった、今日の日本社会が抱える大きなテーマに踏み込んだ内容となっています。その先進事例の一つとして、当会の活動が採り上げられています。ほかにも、白山麓のブナ林や白山信仰、白峰の出作りも紹介されています。少々値段の高い本ですが、ご一読してみてはいかがでしょうか。
問い合わせは、新建新聞社出版部(〒380‐8622長野市南県町686‐8・TEL:026‐234‐4124)へお願いします。
私の声 みんなの声
自然医学の分野で研究しております。残りの人生を明るく楽しく前向きに。 山本参朗
頑張ってね。 中島厚二
今秋とうとう憧れの穂高縦走へ。北穂‐涸沢‐奥穂‐前穂、2泊3日。天気にも恵まれ満足しました。 岩田美穂子
06年3月総会、山口一男氏講演まで生存できるか。 藤井肇
11月6日、医王山自然観察会に参加させていただきました。落ち葉を踏みしめながら歩く幸せをありがとう。気持ちのよい景色をありがとう。医王山さん! 新谷貴子
金沢ハイキングの仲間と山登りに精を出して、会の行事参加の機会が作れないでいます。白山登山回想記、楽しんで読んでいます。 山岸久子
うちは山間部のため新聞も郵送されます。郵便配達は毎日あるので、通信類も○〒にしていただくと、1通を持ってくるためにクロネコ便は山道を走らなくてよく、ガソリンの無駄がなくなります。 山田娑異
事務局短信
11月 4日(金) 運営会議(12名)ニュース発行
砂防学習会(講師:国交省より)
6日(土) 自然観察会・医王山(10名)
13日(日) ふくろう部隊出動(3名)
12月 9日(金) 運営会議(13名)
環境省白山保護官との意見交換
15日(木) 事務局会議(5名)
21日(水) 忘年会(7名)
1月 6日(金) 運営会議(10名)
国道416号の件で石川森林管理署を訪問(2名)
23日(月) チブリ登山道維持管理作業反省会
27日(金) 法人会計監査
カンパありがとう
中野厚子
窪田美代子
小沢広和
崎田律子
河原京次
山本参朗
中村喜代子
尾崎健二
長堀晴男
吉田外儀・邦子
鈴木徹
小谷口隆・睦子
広岡立美
新谷貴子
井沢厚
池本節子
崎川栄治
池原実
戸水小夜子
新田正樹
喜多宗喜
村中香子
今井育美
根岸達雄
山口光男
出村千恵子
山岸久子
車康子
荒井重紀
浅野紀子
石井義男
(敬称略)
でかけてみませんか
第16回総会
2006年3月12日(日)13:30~
石川県生涯学習センター
金沢市広坂2-1-1広坂庁舎1号館(旧県庁舎新館)
講師 山口 一男氏(石川県立白山麓民俗資料館館長)
雑木林春の詩 パート17 旧河内村 舘裏山
集合:道の駅 鶴来 しらやまさん 4月23日8:30分
編集後記
声高な自然保護論よりも、まずは「私でできる自然保護の実行」を熱っぽく訴えた高橋治名誉理事長の最後の講演(1998年総会)をしきりに思い出します。CO2削減問題は政治の駆け引きも絡むのでしょうが、我が家では今冬、車1台を乗り回し、暖房の中心には炬燵をおきました。ささやかな試行は、節約という思わぬ利得と家族のいつにない密集(?)を生み、愛猫の安心まで満たしました。自然の有限に思いをはせ、潔くいきたいとこの頃思います。白銀に輝く白山を遠望しつつ壮思います。(Y)